先日、本誌でも紹介されたが、米Appleが次期iPhoneならびに第5世代iPadを6月29日開催のスペシャルイベントで発表するという噂が出ている。これ以外にも、6月中の別のタイミングでiPhone新製品が発表されるという噂は複数あり、その登場は間もなくという雰囲気が出つつある。今回はこれら登場時期ならびに次期iPhoneとiPadの姿について、その噂の検証してみた。
新型iPhone発表は6月? ……に関する噂
噂の発端の1つは、Gizmoratiが3月19日に独占スクープとして報じた情報だ。Appleの内部情報として報じられたこのニュースによれば、「Original Passion, New Ideas」と銘打たれたスペシャルイベントにおいて、次世代iPhone (ここでは「iPhone 5S」とされている)と第5世代iPadを発表するのだという。6月29日は初代iPhoneが発売開始された日であり、当時はまだ販売台数はそれほど多くなかったものの、Apple Storeを中心に購入のための大行列ができて話題となった。このオリジナルiPhone発売から6年、その同じ日のタイミングで新製品をリリースするというのだ。
6月に新型iPhoneを発表または発売という話は以前からあり、その根拠の1つとして挙げられるのがAppleの開発者イベント「WWDC」の存在で、そこで発表される可能性があると指摘されているからだ。WWDCはおおよそ毎年6月前後の時期に開催されており、イベント開催告知がだいたい2~3カ月前に行われている。だが原稿執筆時点でまだ今年のWWDC 2013の日程は発表されておらず、やや遅れ気味となっている。準備や集客の問題もあるため、おそらく今年のWWDCは6月後半以降の日程が設定される可能性が高いという意見が多い。ただ、毎年会場となっているサンフランシスコのMoscone Center Westは現時点で6月後半に週のスケジュールをフルで使える空きがないため、イベントスケジュール表だけをみれば6月前半か7月前半のいずれかの可能性が高いとみられる。Gizmoratiの報道に関していえば、1日限りのスペシャルイベントのような体裁であり、WWDCの日程とはリンクしておらず、別に会場をMosconeに限定する必要はない。なお、6月26~28日にかけては、West隣のMoscone Center NorthとSouthの会場を使ってMicrosoftのBUILDカンファレンスが開催され、そこで新OS「Blue」の概要が発表される見込みだ。
また別の噂として、マイナビが発行するMac Fanが5月号において「次期iPhoneは2種類の製品ラインが用意され、6月20日に発表される」と報じている件が挙げられる。詳細は不明だが、おそらくは片方は「iPhone 5S」といわれる現行モデルの延長線上にあるフラッグシップ製品で、もう1つはカラーバリエーションを前面に押し出したいわゆる「廉価版iPhone」に該当するものだとみられる。発表タイミングが6月20日ということなので、実際の発売はその翌週の28日(もしくは29日)、あるは7月以降とみられる。
発表と発売時期の噂を検証する
例年であればiPhoneはほぼ1年サイクルで更新され、唯一の例外であるiPhone 4Sを除けば、新端末が登場するのは1年後のほぼ同時期となっている。このサイクルに則れば、次期iPhoneの登場は今年9~10月ごろのタイミングとなる。だが新製品が6月ないしは7月に登場ということになれば、おおよそ四半期ほどスケジュールが前倒しされたことを意味する。これが実際にあり得るかという話だが、「発表時期は春過ぎで以前の更新サイクルに近いスケジュールに戻る」ということを筆者が以前に聞いており、可能性としては十分にあり得ると思う。
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