4月27日、28日(日)に幕張メッセで開催される、動画サービス「niconico」の超巨大イベント「ニコニコ超会議2」にて、作家・夢枕獏氏の生涯小説『キマイラ』新連載原稿の執筆企画が行われることが決定した。
夢枕獏氏は、『サイコダイバー』『闇狩り師』『餓狼伝』『大帝の剣』『陰陽師』などのシリーズで知られ、数々の作品が漫画化、映像化されてきたが、その中でも『キマイラ』は、己の内に「獣」を秘めた二人の青年を描いた物語。1982年に第1巻が刊行されて以来、別巻を含めて18巻(ソノラマノベルス版。<朝日新聞出版刊>は本編9巻、別巻1巻)が発売され、31年経った今も未完であり「夢枕獏の"生涯小説"」と言われているシリーズとなる。
今回は、『キマイラ鬼骨変』の新連載が始まることになり、「ニコニコ超会議2」の初日4月27日幕張メッセ会場内のブースにて、観客が見守る中、6時間で400字詰めの原稿用紙25枚(1万字)をその場で書き上げるという。ここで執筆された原稿は、6月1日に発売される雑誌『一冊の本』6月号に掲載される予定。なお、夢枕獏氏は、3月23日に行われた「第二回将棋電王戦」第一局・阿部光瑠四段 vs 習甦の観戦記も執筆しているが、その中で「手書きの作家」と、今回の企画について、以下のように自身の考えを示している。
「手書きの作家は、いずれ、この世からいなくなるでしょう。おそらく、ぼくらの年代あたりがその最後の手書き世代となるでしょう。アナログ親父の仕事場を、仕事をする姿をデジタル野郎のそのデジタルの最先端のイベントの中で、見せること。なんだか、それが、ぼくの役目のような気がします。ぼくはそういう意味では、化石かシーラカンスですよ。デジタル野郎の皆さん、手書きのシーラカンスを見に来て下さい。ぼくらの世代がこの世から去ったら、二度と見れませんから」(第二回将棋電王戦観戦記より抜粋)