調査会社のトレンド総研はこのほど、20~30代の男女300名を対象に行ったアンケート「SNSの炎上意識と実態」に関する調査結果を公表した。
調査はTwitter、FacebookなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)に関して、「何らかのSNSアカウントを持っている」と回答した男女300名が対象。ある投稿に対して、通常を大きく上回る数の閲覧者が(主に批判的な)コメントを集中的に寄せる状態を「ソーシャル炎上」と定義し、アンケートを行った。
モラル欠如が炎上の原因? 30代男性は12人に1人が体験あり
調査ではまず、「あなたは『ソーシャル炎上』をリアルタイムで見たことがありますか?」と質問。これに対しては39.7%もの回答者が「見たことがある」と答えた。炎上した内容(契機)は「投稿における失言・暴言」(86.6%)、「法律や社会のルールに反する行為を露呈する発言」(45.4%)、「特定の対象(有名人・企業・店舗)への批判・中傷発言」(35.3%)が多く、モラルが疑われるような投稿や他者への攻撃を意図した投稿が炎上を発生させやすいことが分かった。
ソーシャル炎上がよく目撃されるSNS(【図1】)としては、「Twitter」(77.3%)がもっとも多く、「ブログ」(35.3%)、「mixi」(16.8%)、「Facebook」(15.2%)と続いた。不特定多数による閲覧や匿名での投稿が可能なサービスにおいて発生しやすい一方、実名登録が原則のFacebookでもソーシャル炎上が発生しうることが明らかになっている。
調査では、回答者自身がソーシャル炎上を体験したことがあるかについても尋ねた。その結果、30代男性では8.0%が「ある」と回答。30代男性の12人に1人が体験していることになる。全体でも、男性は6.0%がソーシャル炎上を体験しており、男性は炎上を発生させやすいことが明らかになった。一方、女性で体験したことがあるのは2.7%となっている。
ソーシャル炎上は「誰にでも起こりうる身近なもの」
実際にソーシャル炎上が発生した際に、どのような行動をとったかも調査を実施。ソーシャル炎上をリアルタイムで目撃したという人では、49.6%が「何かしらのアクションをした」と回答。どのような行動をとったかについては、「が「炎上している内容に関しての意見を別のSNSで述べる」(42.4%)がもっとも多く、「その内容をSNS上でシェアする」(40.7%)、「自分もコメントをする(炎上に参加する)」(35.6%)と続き、何かしらの形で炎上に荷担している人が多い実態が浮き彫りになった。
自身のソーシャル炎上対策としては、「特定できる名前を出さない」(56.3%)、「悪口や批判、 不満は書かない」(55.7%)が多い。一方で「何もしていない」という人も21.0%と相当数いることも分かった。
最後に、ソーシャル炎上についての認識を尋ねたところ、「誰にでも起こりうる身近なもの」が51.7%でもっとも多く、多くの人が他人事ではないという意識があることが窺える。また、「人の人生を変える恐ろしいもの」(30.0%)とSNSに対してネガティブな意見が挙げられる一方で、「社会の目として機能するもの」(27.0%)と一定の役割を期待する声も挙げられている。