LGエレクトロニクス・ジャパンは3月26日、都内で「Optimus G pro」などグローバルモデルを含む5機種についての製品説明会を行った。会場には実機も用意されており、タッチ&トライコーナーでレスポンスをチェックすることができた。本稿であわせて紹介しよう。

会場に展示されていたOptimus G proのNTTドコモ版(写真左)とグローバル版(写真右)。何故、こうも大きさが違うのだろうか?

販売戦略について

今回、説明が行われたモデルはOptimus G pro(NTTドコモ版)、Optimus G pro(グローバル版)、Optimus G、Optimus F7、Optimus L7 IIの5機種。説明会には同社PR&デジタルマーケティング部の金東建(キム・ドンゴン)氏が登壇し、LG電子が展開する4つのシリーズ(Optimus G、Vu;、F、L)について詳しい説明を行った。

登壇する金東建氏(写真左)。LG電子ではOptimus G、Vu;、F、Lの4本柱で展開する(写真右)。これらの端末はMobile World Congress 2013にも出展され好評を博したという

Gシリーズは、プレミアム製品という位置付けになる。同社のフラッグシップモデルとしてグローバルで展開していくモデルだ。日本市場では、4月4日にNTTドコモから「Optimus G Pro L-04E」が発売開始される予定(詳細については後述を参照)。

GシリーズにはLive without Boundaries(本当のあなたを目覚めさせる)というキャッチがついている(写真右)

こちらは4.7インチディスプレイ、1300万画素カメラ、クアッドコアCPUを備えるOptimus G

Vu;シリーズは、手のひらで操作できるタブレット型スマートフォンという方向性で開発が進められている。昨夏、NTTドコモから投入された「Optimus Vu; L-06D」により、日本のユーザーにもおなじみとなった。キャッチはYou take your Tablet with you(タブレット端末をいつもあなたのそばに)。

Fシリーズはミドルレンジモデル。「4G LTE」サービスを世界に広めるために用意されたという。Lシリーズはローエンドモデル。主に新興国に向けて展開する方針だ。

Fシリーズは4G LTE for Everyone(4G LTEを世界中のひとへ)のキャッチで訴求する

会場には、4G LTEで通信できる4.7インチIPSディスプレイを備えたOptimus F7が展示されていた

こちらはBrilliance in Style(ライフスタイルに「輝き」と「ときめき」を)のキャッチがつけられたLシリーズ。会場にはOptimus L7 IIの実機が用意された

金東建氏によれば、ここ数年でLG電子の日本市場における販売戦略は大きく変わったという。数年前までは「グローバルで展開した製品を日本市場にも投入する」という考え方だった。それに対し、最近では「日本でいち早く発売してから、グローバルにも展開する」というスタイルになったとのこと。金氏は「LG電子が、今いかに日本市場に注力しているか、ということがわかっていただけるのではないか」と説明した。

Optimus G Proについて

続いて、モバイルコミュニケーションプロダクトチームの金希哲(キム・ヒチョル)氏が登壇。Optimus G Proについての詳しい説明を行うとともに、NTTドコモ版とグローバル版との違いにも言及した。金氏によれば、NTTドコモ版のOptimus G Pro L-04Eはグローバルモデルを日本市場向けにカスタマイズした端末なのだという。

登壇する金希哲氏(写真左)。NTTドコモ版とグローバル版のOptimus G Proではディスプレイサイズ、重さなどに大きな違いがある(写真右)

NTTドコモ版のOptimus G Pro L-04Eは、約5インチのIPSディスプレイ(1080×1920ドット、フルHD)を備える端末。OSはAndroid 4.1を採用している。

サイズは約139×70×9.9mm(最薄部10.1mm)、重さは約156g

アプリ一覧画面の様子

「韓国市場では現在、男女の別を問わず5インチ~6インチ程度のスマートフォンが主流になりつつある」と金氏。この理由として「韓国のスマートフォンユーザーは両手で端末を持ち、文字を打つ人が多い」ことと、「スマートフォンで動画を視聴するスタイルが一般化しつつある」ことを挙げた。また、通話に関しても「端末を耳に当てて通話するよりも、イヤホンやBluetoothヘッドセットで通話する人の方が増えている」とのことで、総じて韓国では大きな端末にデメリットを感じる人が少ない、と分析している。

韓国では、動画の視聴なども快適に行える5~6インチ級のスマートフォンが流行っているという

一方で、日本市場では手の小さな女性のための小さなスマートフォンが流通している。金氏は「グローバルモデルをそのまま日本市場にも適用できれば、効率の面でも良い」としつつも、「日本市場では、それは通用しない」との見方を示した。そこでOptimus G Pro L-04Eでは、グローバルで評価されている機能を残しつつ、片手でも扱えるサイズへカスタマイズし直すという手順を踏んだとのことだった。

側面(写真左)とホームボタン周りの様子(写真右)

今回の端末では、Zerogap touchという新工法でIPS液晶を製造している。これにより従来製品に比べ約30%薄いディスプレイを実現できたという。ユーザビリティの面では透明度がアップし、「映像が目の前に浮き出るような知覚を得ることができる」とのことだった。

新工法のZerogap touchにより、従来製品に比べ約30%薄いディスプレイを実現できた

日本のスマートフォンユーザーは、バッテリーのもちについて大きな不満を抱いている。そうした調査結果から、Optimus G Proには「ドコモ2013春モデルの中でも、ダントツで大きな容量(3000mAh)のバッテリー」(金氏)を搭載したという。また、1.7GHzのクアッドコアCPUを積めたことも「LG電子のストロングポイントが評価された」とアピールした。

3000mAhの大容量バッテリーと1.7GHzのクアッドコアCPUを搭載する

機能面では、アウトカメラとインカメラの両方で同時に録画ができる「デュアル録画」機能を搭載した。この機能では端末を持っている人の表情と、その人が見ている目線の両方をひとつの映像に収めることができる。金氏は、使い方の一例として「自転車につけたら面白いのではないか」と話した。

アウト/インカメラで同時に動画が撮影できるデュアル録画機能を搭載する

マルチタスク機能の「Q Slide 2.0」では動画、web、カレンダー、計算機などを小窓のポップアップウィンドウで開くことができる。2つのアプリを同時に表示できるので、ユーザーの使い勝手の良さが大幅に向上するだろう。

Q Slide 2.0では、マルチタスク機能を利用できる

金氏は「日本市場向けに、サイズまで含めたフルカスタムを進めたために、春モデルとしては最後発の4月発売となってしまった」としながらも、春商戦での売れ行きに大きな期待感を示していた。