Windows 8のサポート技術情報はどこへ? - RSSフィードによる取得方法を紹介

本レポートをご覧になっている方はお気付きのとおり、Microsoftは一昨年頃からビッグデータの重要性を各所で訴えている。例えば、NUI（ナチュラルユーザーインターフェース）を具現化するためには、人の動きやパターンを膨大なデータとして格納し、マッチングなど多彩な処理をリアルタイムで実行しなければならない。また、先日開催された「TechFest」でも、ビックデータの可視化を行う「SandDance（サンドダンス）」などいくつかの研究結果が発表された。

このようにビッグデータへの取り組みを強化するMicrosoftだが、日本マイクロソフトは同社のビッグデータ戦略に関して記者説明会を行っている。その内容は既報のとおり、「SQL Server 2012 Parallels Warehouse」の提供などバックエンドの強化であり、本レポートで取り上げる内容ではない。そこで今週は、以前から気になっていたMSKB（Microsoft技術情報ナレッジベース）に関するレポートをお送りする。

Windows 8のMSKB RSSフィードを購読する

多くのハードウェア/ソフトウェア企業は自社製品に関するさまざまなサポートをKB（Knowledge Base：ナレッジベース）という形でデータベース化し、ユーザーに提供している。知識ベースとも呼ばれるKBだが、Microsoftが提供してきたKBは"MSKB"と呼ばれ、Windows OSを筆頭とする各ソフトウェアに対するトラブルシューティングとして利用されてきた。しかし、Windows 8のリリースに伴ってWebページを刷新してから、特定のMSKBを探しにくくなったと感じるのは筆者だけだろうか（図01）。

図01　Microsoftのサポートページ。ディレクトリベースで使いやすくなったが、MSKBの閲覧はしにくくなった

Microsoftのサポートページは、カテゴリベースのFAQ（Frequently Asked Questions）に置き換えられ、浮き彫りになったバグの対処方法などを探すことは想定されていない。これだけ検索システムが発達すると、ディレクトリ状態で並べるメリットをあまり感じないが、サポートページを参照するユーザーには有益なのだろう。だが、その一方でMSKBの更新情報を取得しようとすると、探しても見つからないのである。

同社は以前から自社の特定コンテンツに対し、RSSフィード（Webサイトの更新情報を簡略して配信する形式の総称）を用意しているが、サポートページからたどることは難しい。先のリンクからは図02のページにジャンプできるものの、同ページの最終更新日は2011年1月28日が最後のため、Windows 8はRelease Previewまでしか用意されていない状態だ（図02）。

図02　Microsoftが提供するRSSフィード一覧。ただし、Windows 8はRelease Preview止まりである

先のRSSフィード一覧を確認すると、フィードは「support.microsoft.com」というサーバーに設置された「rss.aspx」というアクティブサーバーページがフィードを発信している。オプションには「rssid=3223&ln=ja」とあるように、製品IDと言語を指定しているようだ。例えばWindows XP Professionalの場合「http://support.microsoft.com/common/rss.aspx?rssid=3223&ln=ja」となる。つまり、この製品IDが確認できれば、特定のRSSフィードを取り出せるはずだ。

ここで利用するのが「マイクロソフト製品サポートライフサイクルポリシー」である。こちらで特定製品のライフサイクルポリシーを確認すると、Windows 8は「http://support.microsoft.com/lifecycle/?C2=16796」である。この「16796」という数値を先の製品IDとして指定してやれば、MSKBのRSSフィードを取り出すことが可能だ。現在筆者は英語版のMSKBと日本語に翻訳されたMSKBを購読し、Windows 8に関する変化を注視している。ちなみに英語版という表現は正しいものではなく、英語でリリースされるMSKBが原本となり、日本語を始めとする各国語に翻訳されるため、日本語版だけ購読していても、若干の遅延や翻訳されない情報もあるので注意してほしい（図03）。

図03　製品IDを変更することで、Windows 8に関するMSKBを取り出すことができる

Googleが自社サービスである「Google Reader」を2013年7月1日をもって終了すると発表するなど、RSSフィードを利用するユーザーは減少傾向にあるようだが、短時間で多くの情報を俯瞰（ふかん）的に確認するツールとしては、いまだ有益である。Microsoftおよび日本マイクロソフトには、このままMSKBのRSSフィード配信を続けることを切に願いたい。最後に筆者が確認したWindows 8およびWindows Server 2012のMSKB RSSフィードを紹介するので、MSKBのチェックが必要な方はご利用いただきたい。なお、Windows Server 2012の日本語版に関しては見つけることができなかった。