NECは22日、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスで、通話中にタッチ操作で画面操作を行う際に生じる「タップ雑音」を抑圧する技術の開発を発表した。
ウェブサイトを閲覧しながらの通話や、資料を編集しながらの電話会議など、通話をしながらスマートデバイスの画面を操作するときに、指やペンが液晶画面に接触した際の雑音をマイクが拾ってしまうため、通話相手にとって大きな雑音となる。
同社が開発した技術では、周波数の波形の山がすべてそろうという、「タップ雑音」固有の特長を発見し、検出に用いることで雑音を高精度で検出が可能になるという。また、周波数ごとに波形の形状を分析し、音声らしくない周波数成分を抑圧することで、音声への影響を抑えつつタップ雑音のみを抑圧する。
このほか、環境雑音とタップ雑音の抑圧に共通する、入力信号を各周波数成分に分解・合成する処理を共通化することで、それぞれの処理を別々に行う場合と比較して、演算量を約3割削減できるとしている。
今回開発した技術をNECのAndroid搭載タブレット「LifeTouch L」に組み込んだところ、演算能力が限られるスマートデバイスにおいても、処理に遅延なくタップ雑音だけを抑圧できることを確認したという。