Android開発で知られるAndy Rubin氏が一線から退いたのは既報の通りだが、GoogleでChrome部隊を率いるSundar Pichai氏がAndroidの統括も兼任することが発表され、同社内で異なる製品として存在していたAndroidとChrome OSが統合されるのではないかという観測が急速に高まっている。だが同社会長のEric Schmidt氏が語ったところによれば、両者は今後も異なる目的を持った異なる製品として併存していくことになるという。
これはインドのデリーで開催されたBig TentイベントにおいてSchmidt氏が語ったことで、PC Magazineによれば、Times of Indiaの記事でそのコメント内容が確認できるという。それによれば、GoogleとしてはChrome OSとAndroidを統合する計画はなく、あくまで別の目的を持った別製品として今後も存在するようだ。またSchmidt氏はインド国内でNexusデバイスが提供されていない点について謝罪し、今後同国でも本格的展開を進めていく移行のようだ。これは、途上国においてもNexusブランドを持ってGoogle自らがハードウェアビジネスを進めていくことの現れでもある。Motorolaが開発中と噂の「X Phone」とあわせ、Androidビジネスの今後の展開の一端がうかがえる。
もっとも、同氏のこの発言を額面通りに受け止めるかは微妙なところだ。Google自体はコメントしていないものの、Rubin氏がAndroidビジネスから外された経緯の裏には社内闘争があるという話は依然として根強く、Googleの本流であるChrome OSをプッシュするため、その製品統括であったPichai氏をリーダーに据えたというものだ。現時点でAndroidは当初のGoogleの期待以上の成功を収めているが、いずれは並立する製品であるChrome OSの廃止か同OSへの統合を検討せざるを得ない日がやってくる可能性は高い。いますぐの話ではないにしろ、来年以降のAndroidの動きには注意が必要かもしれない。