複数の海外報道によれば、米Appleの技術担当バイスプレジデントにKevin Lynch氏が就任する見込みだという。Lynch氏は直前まで米Adobe SystemsのCTO兼エグゼクティブバイスプレジデントの役職にあり、Flash技術や同社のクラウド戦略を推進する立場にあった。そうした同氏がFlash否定派のAppleへの移籍という点で話題を呼んでいる。
同件はCNBCが最初に報じたもので、Lynch氏がAdobeを退職したことは3月19日に発表された同社会計年度で第1四半期(2012年12月~2013年2月)決算の報告書類の中で明らかにされている。現在、Appleからの正式発表はまだないものの、TechCrunchの同日付けの報道によれば、同社技術担当VPに就任し、SVPのBob Mansfield氏の直属になることが見込まれているという。
これら情報はAll Things DigitalのJohn Paczkowski氏とCNBCのJon Fortt氏のTwitterへの投稿から確認できる。Mansfield氏のカバー領域は半導体と無線技術だが、Lynch氏の実際の役割は幾分かそれより広範囲となり、「将来の製品」に関する技術開発を担当することになるとみられる。
前述のように、製品戦略面でぶつかることの多かったAppleとAdobeだが、その技術担当トップがライバル企業に移籍したことは非常に多くの興味を持って注視されている。いずれにせよ、Appleが自社製品ラインに何らかのテコ入れを検討していることの現れかもしれない。