GALAXY S 4への採用で話題になった「フルHD Super AMOLEDディスプレイ」。AMOLEDとは、アクティブマトリクス式有機EL(Active Matrics Organic Light Emitting Diode)の略称であり、Samsungは2010年発売の「GALAXY S」以来、一貫してこの小型有機ELパネルを採用している。「フルHD Super AMOLEDディスプレイ」は、その最新版にあたるパネルだ。
AMOLEDディスプレイの駆動方式であるアクティブマトリクスは、画素1つ1つに対し「アクティブ素子」(スイッチング素子)を割り当て、それを利用して画素のオン/オフや輝度の調節を行う。基本的なしくみはTFT液晶と似ており、実際アクティブ素子にはアモルファスシリコンなどを利用した薄膜トランジスタ(TFT)が使用されている。
液晶パネルにアクティブマトリクス方式(TFT液晶)とパッシブマトリクス方式(STN液晶)があるように、有機ELパネルにもアクティブ/パッシブ2種類のマトリクス方式が存在する。アクティブマトリクス方式は、応答の速さにおいてパッシブマトリクス方式より有利とされ、画素単位でオン/オフを制御できるため精細度の高いくっきりとした動画を再生できる。しかし、画素自身が発光する自発光デバイスであり、直射日光下では視認性が低下することもある。
シリーズ初代のGALAXY Sに採用された「Super AMOLED」は、それまでのAMOLEDディスプレイに比べ輝度が20%アップしたとされ、タッチパネル層を薄くして反射率を抑えた結果映り込みが少ない、つまり見やすい画面を実現した。GALAXY S IIIではその改良版にあたる「Super AMOLED HD」を投入、「ペンタイル」という画素配列方式の採用により焼き付き防止と省電力も実現した。
GALAXY S 4の「フルHD Super AMOLED ディスプレイ」は、5インチの画面にフルHDの画素数(1920x1080ピクセル)を描ききる。しかも画素密度は441ppiと高く、前モデルのGALAXY S 3(1280x720ピクセル/306ppi)の上を行く。画素配列方式も「ダイヤモンドペンタイル」に改良、精細感向上につなげている。