アルカンターラは3月19日、日本市場への本格進出を記念してイタリア大使公邸にてレセプションを開催した。同社はイタリアの高級素材メーカー。日本市場では、自動車、インテリア、ファッション、アクセサリーなどの分野のほか、モバイル製品のケース、カバーなども展開する考え。会場で高級感あふれるiPadカバーなどが展示されていたので紹介しよう。
同社は、東レと三井物産が出資したイタリアにおける繊維事業関連企業。東レの繊維技術をベースに、イタリアのファッション感性を融合したユニークな素材でグローバルに展開している。レセプションでは同社会長兼CEOのアンドレア・ボラーニョ氏が登壇し挨拶した。
自動車部門ではランボルギーニ、フェラーリなどのシートやグリップを販売しており、欧州の市場向けにはファッション素材・高級家具などのインテリア関連、客船など船舶の内装などを提供している。今後は世界中で急速に普及しているスマートフォンやタブレットなどモバイル製品のケース、カバーなども手掛けていきたい考えだという。ボラーニョ氏は、挨拶の中で「電子機器は、今後の成長が期待できる分野。デザインに優れ、かつ高級感と耐久性を兼ね備えるアルカンターラの素材は、電子機器類にとっても最高のカバーリング素材になりうるだろう」と自社製品をアピールした。
2012年度のグローバル市場における同社の販売シェアは、中国15%、イタリア10%、欧州56%、米国3%、その他16%となっている。「素材ブランドとして、これほど高級市場で有名なメーカーはない」とボラーニョ氏。今後の展開については「日本市場はメイド・イン・イタリアおよびヨーロッパ製品、特に高級ブランドには非常に敏感とされている。自動車、ファッション、電子機器業界の主要かつ潜在的なお客様にアプローチしていきたい」と抱負を述べた。