富士通研究所は18日、スマートフォンに搭載されたカメラやPCのWebカメラなどで撮影した顔の画像からリアルタイムに脈拍を計測できる技術を開発した。スマートフォンやタブレット、PCなどのデバイスへ搭載、健康チェックや見守り、セキュリティといったソリューションでの活用など、2013年度の実用化を目指すとしている。
同研究所では、血液中に含まれるヘモグロビンが緑色の光を吸収する特性に着目。血流に由来すると考えられる、顔表面の輝度の変化を捉えて、脈拍を検出する技術を開発した。カメラで撮影した動画像から取得したフレームごとに顔部分の色成分(赤、緑、青)の平均値を求め、ノイズを除去した後に緑成分の輝度波形を抽出する。この緑成分の輝度波形のピーク値から脈拍数を計算。最短5秒での脈拍計測が可能になるという。
また、取得した脈拍データのうち、横を向いて撮影した場合など顔や体の動きによって、影響を受けている個所のデータを自動的に除去し、ノイズの影響を抑えた脈拍計測も行える。
家庭内での継続的な計測に加えて、空港やイベント会場のゲート前で脈拍を計測して、体調不良の人や不審な動きの抽出などセキュリティ面での応用も期待できるという。