宝塚歌劇が、カプコンの大ヒットゲーム『戦国BASARA』シリーズをミュージカル化した「『戦国BASARA』-真田幸村編-」の制作発表会が18日、東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂にて行われ、花組の蘭寿とむ、蘭乃はな、明日海りおが登場した。
宝塚歌劇花組公演『「戦国BASARA」-真田幸村編-』は、宝塚歌劇とカプコンのゲームコラボレーションシリーズとしては『逆転裁判』に続く2作目。本舞台では、甲斐の武田信玄と越後の上杉謙信による「川中島の戦い」の最中、もしも真田幸村が武田軍の武将として過去へタイムスリップして参戦していたら――という物語が展開される。
発表会には、宝塚歌劇の理事長・小林公一氏、演出家の鈴木圭氏、カプコンの『戦国BASARA』シリーズプロデューサー・小林裕幸氏、さらに真田幸村役を演じる花組トップスターの蘭寿とむ、25日付で月組から花組に組替えとなる上杉謙信役の明日海りお、そして、新たなヒロインキャラクター"いのり"を演じる花組トップ娘役の蘭乃はな、と主要キャストが顔を揃えた。
真田幸村役を演じ、第1弾『逆転裁判』に出演している蘭寿は、まず「東急シアターオーブでの大切な宝塚1作目、そして花組生になってからの明日海りおとの共演が楽しみです」と喜びを語る。幸村の衣装については「座っているのも大変なくらい動きにくい衣装ですが、再現率はすごい」と太鼓判を押し、「二本槍を振り回す筋トレをしないといけないですね」と気合十分の様子。また、今回の役作りにあたって『戦国BASARA』を実際プレイしたようで「女性がハマる理由がわかりました。ボタンを押すだけで敵を倒していけるので、どんどん自分が本当に強くなっていく気がします」とゲームの魅力を話した。
また、上杉謙信役の明日海は、「男勝りなキャラクターが多い中、彼は中性的な存在。ほかの武将とは異なるメイクや動きを研究していきたい」と意気込みを話し、謙信の衣装については「密閉されていて暑いです」と回答。そして、これまで『逆転裁判』の舞台では、見る側であったという蘭乃は「今回、オリジナルキャラクターという特性を活かして、見ているお客さまに共感してもらえるような存在を目指し、1日も早く『戦国BASARA』の世界になじめるよう稽古に励みます」と意欲を燃やしていた。
また、カプコンの小林氏は「実は『戦国BASARA』をゲームを作る際、上杉謙信と"かすが"という忍びがいますがが、この2人を宝塚の『ベルサイユのばら』のような演出で描いてきました」と裏話を交えつつ、「まさか本家の方に上杉謙信をやってもらえるとは」と感慨深げ。鈴木氏は「今回は真田幸村を中心に絞り、ストーリー重視。幸村の葛藤を描いていきます。ゲームは殺陣がメインですが我々は宝塚なので、歌と踊りとロマンを強調した、宝塚ならではの『戦国BASARA』を作りたいと思います」と、ミュージカル化の構想を明かした。
さらに、鈴木氏には「親方さまとの殴り合い」や「アニメ版の"足軽ダンス"」はあるのかという質問が飛び出し、「そのまま再現するかはまだわからないが、ゲームで重要な要素はしっかり取り入れていく」とファンの期待を裏切らない舞台にすることを宣言している。
『「戦国BASARA」-真田幸村編-』は、2013年6月15日~7月1日の期間、東京・渋谷区の東急シアターオーブで上演。チケット前売券は4月21日より販売がスタートする。