日本マイクロソフトは15日、Windows RT搭載タブレット「Surface RT」の発売記念レセプションを報道関係者向けに開催した。

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発売記念レセプションで展示された「Surface RT」(東京・代官山の蔦屋書店)

「Surface RT」はマイクロソフト謹製のタブレット。ARM用OSのWindows RTを載せた約675gの10.6型(解像度は1,366×768ドット)で、プロセッサにクアッドコアのNVIDIA Tegra 3を採用する。従来米国やカナダ、ドイツなどで販売されていたが、3月1日、日本市場への投入が発表された。価格は32GBモデルで49,800円、64GBモデルで57,800円。

3月1日に行われた「Surface RT」発表会では、会場の展示機が「撮影のみ」だったが、15日に開催した発売記念レセプションの展示機を触ることができたので、写真を中心にそのファーストインプレッションをお届けしよう。

Surface RT本体

本体の薄さは9mm。手に持って使う場合や鞄に入れることを考えると非常にモバイルしやすい印象だ。タッチカバーの使用感は後述するが、約22度の角度で自立する一体型キックスタンドは角度・安定感ともに良好。

本体の重量は約675g。本体のみを持つと見た目相応の重さに感じられるが、209gのタッチカバーを着けた状態では約884gとなり、普段600g前後のタブレットを使っていると、少々重くも感じられる。

専用アクセサリ「タッチカバー」(ブラック)が付いたSurface RT。タッチカバーは本体の保護カバーでもあり、薄さ約3mmの感圧式キーボードとしても使える

本体背面。背面にぴったり閉じられる一体型のキックスタンドには、Windowsロゴが淡く入れられている。前面/背面には720p HDカメラを搭載

左側面。スピーカーや音量ボタン、ヘッドホン端子を備える

右側面には、microSDカードスロットやUSB 2.0ポート、microHDMI出力など

一体型キッスタンドには約22度の傾斜がつく。開閉用の突起がないため、慣れるまではスタンド開閉に手間取るかもしれない

カバーとの接続はマグネット式で、強い力を加えなければ逆さにしても外れにくい。キーボード機能はワイヤレスではなくハードウェアで繋ぐため、本体とカバーを離した状態でキーボード機能を使うことはできない(写真は「タイプカバー」)

タッチカバー・タイプカバー

専用アクセサリ「タッチカバー」と「タイプカバー」は、本体の保護カバーであり専用のキーボードでもある。本体サイズは187×276mm。薄さは前者が3mm、後者が6mmだ。いずれもWindows用ショートカットキー、メディアコントロールキー、トラックパッドを備える。

「タッチカバー」は感圧式キーボードで"押し込み感"はほぼ感じられず、ソフトウェアキーボードを打つ感触に近かった。一方「タイプカバー」はパンタグラフ式に近く、通常の小型キーボードを使うような打鍵感。いずれもマグネット式のコネクタで本体と接続するため、離した状態ではキーボード機能は使えない。

感圧式のタッチカバー(9,980円)。防滴仕様で、シアンブルー、ブラック、ホワイトの全3色だ。Windows用ショートカットキー、メディアコントロールキー、トラックパッドを搭載。薄さは3mm

タッチカバーはかなり強く押してみても打鍵感はほぼ感じられず、ソフトウェアキーボードを打つ感覚に近い。タッチカバー自体の重量は209gで、カバー付きの本体を手に持つと少々重い印象

タッチカバーを閉じたところ。閉じるとSurface RT本体画面がオフになり、背面に畳むと文字入力が無効となる。カバーの開閉は非常にスムーズで、質感も手に馴染む

こちらはタイプカバー(10,980円)。タイプカバーはブラックのみで、タッチカバーと同様に閉じると本体画面がオフになる薄さは6mmで、重量は約250g

各キーが独立するタイプカバーはパンタグラフ式の打鍵感に近く、打ち心地は良好。メールや長文を書く際も問題なさそうだ。キーピッチは好みによるだろうが、手が小さいと言われる筆者では僅かに広く感じられた

タッチカバーのキーボード・タッチパッド(写真左)と、タイプカバーのキーボード・タッチパッド(写真右)。軽さをより重視するならタッチカバー、ソフトウェアキーボードの打ち心地が苦手ならタイプカバーをお勧めしたい

スタート画面・デスクトップ画面・搭載アプリなど

OSはWindows RTなので、Windows 8ユーザーは違和感なく使えるはずだ。試してみた限りでは、Office 2013 RTをはじめ、各種アプリの動作はスムーズ。アプリはWindowsストア経由のみとなり、x86系ソフトウェアはインストールできないため、サブ機にデスクトップPCと近い機能を求める場合は向かないが、メールやPDF、写真の確認などに使う場合には差し支えないだろう。

Surface RT(Windows RT)の画面。起動中のソフト一覧が画面左で確認できるなど、操作感はWindows 8と同等だ。デスクトップ画面では、あらかじめタスクバーにOffice 2013 RTが表示されている

Surface RTのシステム情報。クアッドコアのNVIDIA Tegra 3(1.30GHz)を採用する

展示機にはOutlookがインストールされていた。通常Windows RTにOutlookはプリインストールされておらず、出荷時のSurface RTではWindowsメールがインストールされている

オマケ・もうひとつのWindows RT機「LaVie Y」

国内では、既にWindows RT搭載機がいくつか発売されている。その中でも2012年10月という早い段階で発表されたのが、NECの11.6型コンバーチブルタブレット「LaVie Y」(解像度は1,366×768ドット)だ。今回は参考までに、Windows RTを載せる「LaVie Y」の写真も掲載しよう。

11.6型のLaVie Yもタブレットとして使用できるが、Surface RT(10.6型)と約1インチの差なので、画面の広さや視認性に大きな違いは感じにくい。キーボード着脱式ではないため、Surface RTと比べると重いが、置いた際の安定感は高い

タイル状のスタート画面もデスクトップ画面もSurface RTと同等。キーボードはアイソレーションタイプで使いやすい。Surface RTと用途は近いが、タブレット形状としてより、机上に据え置いて使う機会が多い人用になると思われる