高層ビル群が立ち並ぶ香港の夜景といえば、"100万ドルの夜景"として世界的にも有名だが、1年に1回、"200万ドルの夜景"とでもいうくらいにパワーアップする瞬間がある。旧正月のときだ。

爆竹よりももっと激しくきらびやかに

旧正月の時期は毎年暦によって変わるが、大体1月末から2月中旬あたり。中国圏では最も重要な祝祭日のひとつであり、この祝いを家族と過ごすために帰省ラッシュも生じるなど、正月より盛大に祝われる。中国の旧正月と言うと爆竹のイメージが強いかもしれないが、香港は爆竹なんて比ではない! 町中に大迫力の光と音をとどろかせる花火が打ち上げられるのだ。

九龍半島側から高層ビルと花火のコラボレーションを眺める

花火の打ち上げは海から。香港島と九龍半島の間にあるビクトリア・ハーバーに船3隻を浮かべ、そこから花火が上がる仕組みになっている。このため、香港島側にいても九龍半島側にいても、どちらからでも花火を無料で楽しめる。今年は2月11日に行われ、20時から約30分間で2万発もの花火が夜空を彩った。高層ビルが立ち並ぶ夜景をバックに、色鮮やかな大輪の花火がきらめく風景は、ごう音とともに胸に響いてくる。そんな花火が「これでもか! 」と言わんばかりに連発され続けるため、ただただもう圧巻!

花火を見るなら、九龍半島側のスターフェリー乗り場付近から湾に面したプロムナードがおすすめ。周辺には、1年に1度の輝きをカメラに収めようと、午前中から三脚を立てて場所取りをしている人が多い。とはいえ花火は高く上がるので、湾に面した最前列でなくても十分見られる。スタート間際になると大混雑で動けなくなるので、少し早めに現地に到着しておこう。

九龍半島側のプロムナードには、朝から場所取りの三脚が連なっている

ちなみに、2014年の旧正月は1月31日から。旧正月前には、花火大会の詳細についても香港政府観光局のホームページなどで紹介しているので、ぜひ"200万ドルの夜景"を含めた旅のプランしていただきたい。