富士通研究所は14日、汎用的な10Gbps用の部品を用いて、100Gbpsの高速通信を可能とする光伝送技術の開発を発表した。この技術を4チャネル構成の光送受信器に適用することで、最大400Gbpsの超高速イーサネット用トランシーバの実現が可能になるという。

従来の技術では、光信号のオンとオフをデジタル信号の"1"と"0"に対応させる単純な変復調方式を採用しており、高速化には限界があったほか、高速化に対応した電子部品や光部品が必要で、汎用的な部品での実現には困難があった。

新たに開発された技術の適用範囲

同研究所が開発した新たな光伝送技術では、DMT(Discrete Multi-Tone)変復調方式を適用し、汎用的な10Gbps用の直接変調レーザー部品で1チャネルあたり100Gbpsの伝送を実現する。

DMT変復調方式は、ADSLに代表されるxDSLなどで使用されている変復調方式で、使用する周波数帯域を複数のサブキャリアに分割して、それぞれのキャリアに対して多値変調を用いることで高速伝送を可能とする。同研究所では、各サブキャリアのパワーや多値度の最適化を実現するアルゴリズムを開発した。

DMT変復調方式

また、特製的に十分な線形性が保てないような汎用部品でも、あらかじめ特長を把握して補正することで線形性があるように利用できるすり合わせ技術も開発したという。

今回の技術を使うことで、データ転送の高速化によってデータセンターの処理能力が向上すると期待されるとしている。