青函トンネルが営業を開始したのは1988年3月13日です。北海道側で掘り始めてから営業を開始するまで、なんと24年もかかった難工事でした。
海底を、山岳地帯を、掘り進んで開通を目指すー。「トンネル」を造るには多大な労力が必要です。このトンネルが、いくらでできるのかを調べてみました。
笹子トンネル
上り4,784m、下りが4,717mと、全長では中央自動車道で2番目の長さのトンネルです。建設費は270億円とのこと。
2012年12月2日にこのトンネルで痛ましい事故が起こりました。上り線で天井板が崩落。走行中の車両が巻きこまれました。死者9人、負傷者2人が出る惨事となり、これは高速道路上で起きた事故の中で最も多い死亡者数です。
関越トンネル
全長は上りが11,055m、下りが10,926m。現在、道路用としては日本で一番長いトンネルで、群馬県と新潟県を結んでいます。下りは1985年に、上りは1991年に開通しました。建設費は630億円だそうです。
恵那山トンネル
中央自動車道にある、長野県と岐阜県を結ぶトンネルです。全長は上りが8,649m、下りが8,489mと、かなり長いトンネルです。建設費は891億円。
青函トンネル
海底トンネルとして世界的にも有名な、青森県と北海道を結ぶ鉄道用トンネルです。24年間もかかった大事業でした。全長は53.85km。トンネルの建設費は、計画段階で5,384億円を見込んでいたのですが、結局7,455億円かかりました。約1.38倍も要したわけです。いかに難しい工事だったかがうかがえます。
英仏海峡トンネル
今ではすっかり普通になっていますが、イギリスとフランスの間の英仏海峡にトンネルを掘ったのですから驚きです。イギリスのフォークストンとフランスのカレーを結び、全長は50.49kmのトンネルです。総工費は約88億ポンド(約1兆2,408億円:1ポンド=約141円)とされています。
ゴッタルドベーストンネル
スイスで現在建設中の鉄道トンネルで、2018年の営業開始を目指しています。全長57kmと、鉄道用のトンネルとしては青函トンネルを抜いて世界第一位の長さとなります。総工費は80億3,500万スイスフラン(約7,954億6,500万円:1スイスフラン=約99円)とのこと。
シアトルの高架を地下道路に!
シアトルの老朽化した高架道路を地下道に改修するという「SR 99 tunnel Project」が動き出しています。このトンネル工事では、日本の日立造船が製作した、世界最大直径17.45mのシールドマシンが働いています。
このシールドマシンは8,000万ドル(約74億4,000万円:$1=約93円)で、トンネル建設の総工費は28億ドル(約2,604億円:$1=約93円)といわれています。
トンネルの金額は条件によって違う
1m当たりの金額を出して、だいたいこのくらいが平均だ、と算出しようとしたのですが、これが見事にバラバラです。例えば、前述の「恵那山トンネル」は「関越トンネル」より短いのに、建設費では200億円以上余計にかかっています。
どこに掘るか、どのくらい掘削が困難かによって、トンネルは全く違う値段になってしまうようです。
(高橋モータース@dcp)
シアトルのトンネル工事の資料(英語)はこちら。