1983年に放送されたNHK朝連続テレビ小説の映画化作『おしん』(10月公開)の撮影が12日に行われ、おしん役の濱田ここねと約30年前に同じくおしんを演じた小林綾子の"新旧おしん"の共演が実現した。
かつて子役時代におしんを演じた小林は、本作では加賀屋の若奥様役で登場。この日は、おしんが2回目の奉行で世話になる米問屋・加賀屋の家族と共に、初詣に訪れる場面が撮影された。賽銭箱に投げるお金がないおしんに対し、若奥様は賽銭をそっと渡して皆でお祈りをする。
「久しぶりに山形へ来たのですが、新幹線からの雪景色に懐かしい気持ちになりました」と感慨深げに現場入りした小林は、濱田と初めて対面し「自分もこんなに小さかったのかと驚きました」と記憶の中の自分と重ねていた様子。気温が常にマイナスという過酷な状況下で撮影に臨む濱田に対し、「寒くて、冷たくて、私以上に大変なことをされているようでした」と語り、「きっと映画にはリアリティーがあるし、迫力があると思います」と太鼓判を押した。
一方、かつてのおしん役、そして女優として大先輩の小林を前に、さすがに緊張を隠せない様子だった濱田。オーディション時から小林が演じたおしんの映像を見ながら役作りをしていたこともあり、共演を「うれしいです」と喜んでいた。その夢の共演が初詣のシーンだったため、「前の日からお祈りをしていました」と語る濱田。彼女の願いが通じたのか、当日は天候にも恵まれた。
2月15日にクランクインした同作は、この日で撮影26日目を迎えた。今後は、庄内映画村のほか、山形県内をオールロケで進めながら、3月下旬のクランクアップを予定している。