「HDRアート」と「HSナイトショット」で表現力をアップ!
「HDR」(High Dynamic Range)ははもともと、写真の持っている階調性の幅を広げるために生まれた機能だ。通常の撮影では、暗すぎる部分は黒くつぶれてしまい、明るすぎる部分は白くとんでしまう。これを防ぐために、露出を変えて複数枚撮影した画像データをPCに取り込んで、画像処理ソフトで1枚に合成したのがHDRの始まりである。
この処理をカメラ側で自動的にやってくれるのがHDRモードだ。加えて、コントラストを強調したり、発色を派手にしたりするのが「HDRアート」である。日常の風景もこの機能を使えば、アーティスティックに変身を遂げる。アート効果は3段階あり、さらに「エクストラ 1」と「エクストラ 2」が加わっている。
同時撮影で保存されたノーマルの写真。右からの直射日光が強く、建物が白とびを起こしている(オリジナル画像を見る) |
「HDRアート」は彩度やコントラストを強調するが、白とびと黒つぶれを抑える効果もある。アート写真を望まないときは、通常の「HDR」モードを使うとよい(オリジナル画像を見る) |
ほとんど真っ暗でも撮れる「HSナイトショット」
「HSナイトショット」は、高速連写した複数枚の画像データを重ねることで、ほとんど真っ暗な場所でもフラッシュを使わずに、明るい写真を撮れる機能だ。また、超高感度を使わず、しかもブレずに撮れるということで、それほど暗くない場所や夜景でも積極的に使う価値がある。三脚を使わず、手持ちで高画質の夜景が撮れるのはとても便利だ。
ISO800、1/40sec、F3.0で撮られた「HSナイトショット」。手持ちで高画質な夜景が簡単に撮れた。複数枚の画像データを重ねることで最高ISO25600相当で撮影できるため、暗闇でも写すことが可能(オリジナル画像を見る) |
プログラムAEを使うと、ブレ防止のため感度は一気にISO2000まで上がった。これでは高画質は期待できない。せっかく撮った夜景も等倍表示で見ると、粒状性とノイズが目立っている(オリジナル画像を見る) |
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