経済産業省 資源エネルギー庁は12日、愛知県沖海底に埋まる次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」を分解し、メタンガスを採取する海洋産出試験に成功したと発表した。海底のメタンハイドレートからガスとして産出されたのは、世界初となるという。
メタンハイドレートは、メタンと水が低温・高圧の状態で結晶化した物質。日本周辺海域において、相当量が存在していることが見込まれており、次世代の天然ガス資源として期待されている。
資源エネルギー庁は今年1月から、メタンハイドレートの商業化に必要な技術整備の一環として、愛知県の渥美半島から約80km、志摩半島から約50kmの沖合(第二渥美海丘)にて、メタンハイドレートの海洋生産試験を準備。3月12日より、地球深部探査船「ちきゅう」を使って生産実験を開始した。
実験では、水深約1,000メートルの海底下約270m~330m区間にあるメタンハイドレート層まで採取管を通し、同区間でメタンハイドレートをガスと水に分解させて、ガスを採取。事業の委託先は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)で、オペレーターは石油資源開発が担当している。
今後は、ガスの生産実験を約2週間実施し、生産実験終了後に今回生産されたガス量の集計や実験結果の解析作業などを行う予定。