日本銀行(以下、日銀)はこのほど、「企業短期経済観測調査(以下、短観)」の見直しに関する最終案を発表した。新たな調査項目として、企業の中長期の予想物価上昇率を調べる「企業の物価見通し」を導入。2014年前半からの調査開始を予定している。

日銀は2012年11月、短観における調査項目の見直し方針を公表し、意見を募集。その結果、エコノミスト、学識経験者、経済団体など計32の個人・団体から意見や提案が寄せられ、それらの意見を踏まえて今回の最終案を作成した。

新設される「企業の物価見通し」では、企業の製品やサービスの「販売価格」(現在の水準と比べた変化率)と、「物価全般」(前年比変化率)について、それぞれ1年後、3年後、5年後の見通しを調査する。対象は、全国短観のすべての調査対象企業約1万1,000社。回答における選択肢の数値レンジについては、「整数%程度」と「具体的な数値の幅(例:マイナス0.5%~プラス0.4%)」を併記する計画だ。

一方、年度計画のうち、「材料費」「人件費」「減価償却費」「金融収益」「金融費用」の5項目と、四半期項目の全13項目(計数調査10項目、先行き予測に関する判断3項目)を合わせた計18項目については、見直し方針通り廃止する。

判断項目「CPの発行環境」については、「全企業ベース」の集計・公表を廃止。「発行企業ベース」の調査対象については、従来の「過去2年間にCP残高が存在する企業」との定義を拡大し、「過去2年間にCP残高が存在する企業、および、過去2年間に発行実績はないものの現在発行を検討している企業」とする。また、「発行企業ベース」の公表時期は、現状より2営業日早期化し、公表初日の「概要」と同時に行う。