米NVIDIAは7日(現地時間)、ソニー・コンピュータエンタテインメントの次世代ゲーム機「PlayStation 4」向けに、物理演算エンジン「NVIDIA PhysX」ならびに、PhysX導入を支援するオーサリングツールを含む開発フレームワーク「NVIDIA APEX」のソフトウェア開発キット(SDK)を提供すると発表した。
NVIDIA PhysXは、ゲーム内での物体の爆発や物体の落下、水や煙など流体のシミュレーションといった表現を、リアルな物理現象として、さらにリアルタイムに処理できる技術。NVIDIA APEXは、複雑な物理学を用いるPhysXのゲームへの適用を容易にするフレームワークで、これによりゲーム開発アーティストの負担を減らすことができるというもの。
PhysXとAPEXは、ともに同社のグラフィックス処理ユニット(GPU)である「GeForce」向けで主に利用されていたもので、パソコンや携帯機器などのプラットフォームに提供されていた。発表の中で同社は「開発者にとって、マルチプラットフォームのサポートがあることは重要。物理演算技術はゲーム体験の向上に不可欠で、PlayStation 4のより良いゲーム体験を実現できる」と説明している。なおPlayStation 4では、PC業界では競合する米AMD社のグラフィックス処理ユニットを採用している。PhysX SDKは、過去には任天堂のWii向けにも提供されている。