ネットエイジアと第一生命経済研究所は7日、「1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)在住者の東日本大震災時の行動とふりかえり」に関する調査結果を発表した。同調査は、2012年12月3日~11日の期間にモバイルリサーチにて行われ、20歳~49歳の男女1,200名から有効回答を得た。

まず、震災直後の居住地選択について聞いたところ、「家族全員で、一時的に首都圏外に避難した」人は1.8%、「一部の家族のみ、首都圏外に避難した」人は2.2%で、合わせて4.0%が首都圏を脱出していた。年代別に見ると、脱出した人が特に多かったのは20代で5.5%。子どもの有無別では、「小学生以下の子どもがいる」人が圧倒的に多く8.2%だった。

震災時に首都圏に住んでいた人に対し、震災直後の居住地対応として、どのような希望を持っていたか尋ねてみると、16.7%が「家族全員で、一時的に首都圏外に避難したいと感じた」、7.9%が「一部の家族のみ、首都圏外に避難させたいと感じた」と答え、合わせて4人に1人に当たる24.7%が首都圏外への避難を希望していたことがわかった。

震災直後の居住地としての希望

希望通りに首都圏外に避難できなかった人の理由を見ると、「自分の仕事の都合(休めない、辞められない)」が最も多く51.1%。以下、「家族の仕事の都合(休めない、辞められない)」が41.4%、「お金がかかるから」が36.5%と続いた。また、震災後の避難に対する行動は誰が決定したのか質問したところ、「自分」としたのは男性で68.1%、女性で52.3%、「配偶者」は男性で11.5%、女性で24.2%となった。このことから、震災後の居住地に関する決定は男性主導で行われたケースが多かったと考えられる。

次に、放射性物質の食品(農産物・魚介類等)への影響について、震災発生から震災後半年くらいまでと、現在において、それぞれどのように捉えていたのか調べたところ、震災発生から震災後半年くらいまでは「大丈夫だと考えていなかった」が27.0%、「どちらかといえば大丈夫ではないと考えていた」が24.7%と、過半数以上が大丈夫だと考えていなかったことが判明。現在では、「大丈夫」と感じている(「大丈夫だと考えている」と「どちらかといえば大丈夫だと考えている」の計、以下同)人は61.5%まで増えたものの、小学生以下の子どもがいる人では53.4%と全体平均より低かった。

福島第一原子力発電所については、震災発生から震災後半年くらいまでは、69.3%が「大丈夫だとは考えていなかった」、18.5%が「どちらかといえば大丈夫ではないと考えていた」と回答し、合わせて87.8%が危機感を感じていた。現在でも、「大丈夫」と考えている人は16.1%にとどまり、8割以上が今なお危機感を持っていることが明らかになった。