財務省は8日、1月の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は3,648億円の赤字で、初の3カ月連続の赤字となった。なお、赤字幅は前年同月比で908億円縮小している。
貿易・サービス収支は、統計可能な1980年1月以降過去最大となる1兆6,595億円の赤字。赤字は10カ月連続で、赤字幅は前年同月比1,488億円増加した。
貿易収支は、同じく過去最大の1兆4,793億円の赤字。赤字は5カ月連続で、赤字幅は前年同月比896億円増加した。これは、鉱物性燃料を中心に輸入が増加したためと見られる。
輸出額は4兆6,461億円で、前年同月比2,924億円(6.7%)の増加。輸入額は6兆1,254億円で、前年同月比3,819億円(6.6%)増加した。なお、輸出は前年同月比で8カ月ぶりの増加、輸入は3カ月連続の増加となる。
また、同省関税局がまとめた1月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出については、対米国が前年同月比824億円(10.9%)増、対ASEANが同635億円(9.2%)増。一方、対EUは同240億円(4.5%)減、対大洋州が同135億円(9.5%)減少した。商品別に見ると、有機化合物が同464億円(30.7%)増、自動車の部分品が同322億円(15.9%)増、非鉄金属が同308億円(38.6%)増などとなったのに対し、建設用・鉱山用機械が同276億円(35.4%)減、船舶が同198億円(8.7%)減少した。
輸入については、対中東が前年同月比1,125億円(9.8%)増、対中国が同874億円(6.6%)増。一方、対大洋州は同184億円(4.2%)減少した。商品別では、 石油製品が同647億円(33.8%)増、液化天然ガスが同621億円(11.4%、数量は1.0%増)増、原粗油が同614億円(5.9%、数量は4.7%減)増などとなった。
サービス収支は、1,802億円の赤字で、赤字幅は前年同月比592億円の拡大。輸送収支および旅行収支が赤字幅を拡大したと同時に、その他サービス収支が赤字に転じたことが影響した。
所得収支は、1兆2,284億円の黒字で、黒字幅は前年同月比781億円の拡大。配分済支店収益の支払減少などにより直接投資収益が増加したほか、配当金の受取増加により証券投資収益が増加したため、黒字幅は2カ月連続で拡大した。
一方、資本収支については、6,075億円の流入超(前月9,134億円)となった。