ドイツのHannover市において、3月5日から9日まで(現地時間)開催されるIT見本市「CeBIT 2013」。同イベント開催日の5日に、Acerがヨーロッパ市場向けの新製品などを公開するショールームを報道関係者に披露し、欧米で販売が開始された低価格タブレット「Acer Iconia B1」などを公開した。このAcer Iconia B1は、今年1月の2013 International CESで発表され、ヨーロッパではすでに販売が開始されている低価格タブレット端末。エントリーモデルの価格は119ユーロで、家庭における2台目、3台目のタブレットとして、子供たちにも買い与え安い価格を実現した製品だと言う。
同製品に採用されているSoCは、台湾MediaTekのMTK8317Tで、ARM Cortex-A9をデュアルコア構成で搭載し、1.2GHzで動作するほか、グラフィックス機能にはPowerVR SGX531を統合している。その本体サイズは、197.4(高さ)×128.5(幅)×11.3(厚さ)mm/320gで、1,024×600ピクセル表示の5点マルチタッチ対応の7インチ液晶を搭載。OSにはAndroid 4.1.2 "Jelly Bean"を採用している。
同社は、メモリの種類はスピードは明らかにしていないが、本体には512MBのDDR3メモリが搭載されるほか、8GBまたは16GBのeMMCフラッシュメモリをストレージとして備え、本体下部のmicroSDスロットを利用して、最大で32GBのストレージ容量を増やすこともできる。低価格モデルということもあってか、インターフェースは実にシンプルで、前述のmicroSDカードスロットのほかには、本体充電用兼パソコンとの接続用に、底面にmicroUSB端子を備えるのみ。無線機能としてはIEEE 802.11 b/g/nの無線LAN機能とBluetooth 4.0に対応する。
本体に搭載されるバッテリはリチウムイオンタイプで、その容量は2,210mAhとされ、一般的な利用で最大6時間、720pのビデオ再生ならば最大3.5時間の連続稼働が可能だと言う。このほか、液晶上部には、ビデオ通話などの用途に30万画素のWebカメラを備えるほか、GPS機能もサポート。現時点ではWi-Fiモデルのみの展開だが、設計そのものは3Gにも対応できるように作られているようだ。なお、本製品のヨーロッパにおける市場価格は、8GBモデルが119ユーロ前後、16GBモデルが139ユーロ前後だ。
同社はさらに、1,920×1,200ピクセル表示の21.5型の液晶ディスプレイにAndroid 4.0 "Ice Cream Sandwich"を搭載したスマートディスプレイ「Android Display D220HQL」も公開した。同製品は、2点タッチ対応の液晶を採用し、SoCにはTexas InstrumentのOMAP 4428を採用。ARM Cortex-A9をデュアルコア構成で搭載する同SoCを1GHzで駆動し、内蔵のeMMCフラッシュのうち、8GBをAndroid 4.0やバンドルAppsを収める読み取り専用領域とし、1GBのユーザー領域に割り当てていると、同社関係者は説明する。むろん、ストレージ容量を拡大した場合は、本体背面のmicroSDカードスロットを利用して、最大32GBのストレージ容量を拡張することができる。
ディスプレイとしての仕様は、応答速度12ms、輝度250カンデラ/m2、コントラスト比1000:1、視野角は178度で、ディスプレイ入力用にマイクロHDMIポートを背面に備える。このほか、液晶の両サイドには合計3ポートのUSB 2.0端子とオーディオ端子を搭載。ネットワーク機能については、同社関係者は、イーサネットやWiFi、Bluetoothなど、組み合わせの異なるモデルをラインナップする計画があると説明していた。なお、同製品は3月中旬以降に、ドイツ、フランス、イギリスなどで販売を開始し、標準構成モデルの市場想定価格は399ユーロとなる見通しだ。
いずれの製品も、日本市場での展開は未定だが、「Acer Iconia B1」は欧米市場でGoogleのNexus 7よりも安価なタブレットとして好調な滑り出しをしており、Acerには、これらの製品群の早期日本投入を望みたいところだ。
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