本モデルならではの特徴は、「3軸(静止画)/5軸(動画)の手ブレ補正」機能を搭載することだ。3軸とは、一般的な2軸(上下と左右方向の角度ブレ)の補正に、回転ブレの補正を加えたもの。回転ブレの補正は、コンパクトデジカメでは初めての対応だ。補正の駆動機構には、同社ミラーレスの最上位機「OM-D E-M5」と同じ方式が使われているという。さらに動画撮影の際は、水平と垂直の並進(シフト)ブレの補正も可能になる。

試用ではズームのワイド側で1/4秒、テレ側で1/60秒でも、ほとんどのカットはブレなく撮ることができた。より慎重に構えれば、さらに遅い速度で撮ることも可能だろう。600mm相当という超望遠の画角を手持ちで気軽に撮影できることがありがたい。

電源を入れるとレンズがせり出し、約1秒で撮影スタンバイになる

手ブレ補正のメニュー画面。ON/OFFのほか、撮影時補正が選べる

AFには、コンパクトデジカメで一般的なコントラスト検出方式を採用。AFモードは「顔検出-iESP」「スポット」「自動追尾」の3種類に対応する。今回は主にスポットAFを使用したが、高倍率にもかかわらず大きなストレスなく作動するAF性能を確認できた。測距点の移動は、液晶タッチパネルで行う。タッチ操作によってAF合焦と同時にシャッターを切ることも可能だ。

シンプルにまとまった背面の操作部。右上には動画用の撮影ボタンを装備

電源はリチウムイオン充電池で、CIPA準拠の電池寿命は約310枚となる

撮影モードは、フルオートに相当する「iAUTO」モードのほか、プログラムオート、マニュアル露出、マジックフィルター、シーンモード、手持ち夜景、パノラマ、回想フォト、アドバンスムービーの計9モードが用意される。

各種機能の設定については、撮影モードは天面のモードダイヤルで、フラッシュモードとセルフタイマーは背面の専用ボタンでそれぞれ選択する。さらに背面の「OK」ボタンを押した場合には、液晶の右側にファンクションメニューが表示され、露出補正やホワイトバランス、ISO感度、ドライブモード、アスペクト比などの項目が選べるようになる。それ以外の、例えば測光やデジタルズーム、手ブレ補正、AF補助光などの詳細設定は、メニューボタンを押して、メニュー画面から設定する。

天面右にモードダイヤルを装備。各モードのアイコンがユニークだ

フラッシュは手動のポップアップ式。自動でポップアップすることはない

これらの操作系はごくオーソドックスなもので、コンパクトデジカメに慣れている人なら、特に使用説明書を読まなくても把握できるはず。ただし、後述する「回想フォト」やアドバンスムービー、マジックフィルターといった同社独自の機能については、前もって使い方を確認しておいたほうがいいだろう。

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