フェラーリは5日から開催中のジュネーブモーターショーにて、特別限定モデル「ラ フェラーリ」を世界初公開した。フェラーリの市販車初のハイブリッドモデルであり、499台のみ生産される特別なモデルとなる。
「ラ フェラーリ」は、F1カーと同じ設計および生産手法のシャシーを採用。レーシング部門で4種類以上のカーボンファイバーを手作業でラミネートし、オートクレーブを用いて硬化、製造する。カーボンファイバーの採用により、軽量化とともに捻り剛性やビーム剛性を強化し、シートやバッテリー・コンパートメントなどのパーツをシャシーに統合するなど、デザイン面での最適化にも貢献している。
パワートレインは「HY-KERS」と呼ばれるハイブリッド技術をフェラーリ史上初めて採用。エンジンは6,262ccのV型12気筒で、圧縮比が13.5:1ときわめてハイチューン。最高出力はじつに800CV(「CV」は「PS」のイタリア語表記)で、同排気量のエンジンとしては最も高く、1リットルあたりの出力は128CVに達する。組み合わされる電気モーターも163CVとハイパワーで、総合最高出力は963CVとなっている。
エクステリアはきわめてアグレッシブなものであり、同時にアクティブ・エアロダイナミクスにより最高の空力特性を発揮する。フロントとリアにエアロダイナミクス・デバイスがあり、自動的に作動して必要なときにダウンフォースを発生させる。
インテリアはオーダーメードで仕上げられたシートがフロアに固定されており、シートではなく、ペダルボックスとステアリングホイールを調整することでドライビングポジションを設定する。こうした設計には、F1ドライバーのフェルナンド・アロンソ選手やフェリペ・マッサ選手らの意見が反映されているという。