イオンは4日、J.フロントリテイリング(以下、JFR)が展開する食品スーパー「ピーコックストア」を買収すると発表した。

4月1日付でピーコックストアの全株式を取得し、完全子会社化する。株式取得額は130億円で、ピーコックストアの負債170億円を含めた買収総額は300億円となる見込み。なお、ピーコックストアは4月1日までに20億円の増資を実施し、JFRが全額引き受ける予定となっており、これに伴い取得株式数は増資分100万株を加えた2,350万株となる。

イオンは現在、3カ年(2011年度~2013年度)のイオングループ中期経営計画を推進している。同計画では、共通戦略の一つとして、将来的に人口増加が見込まれる都市部での成長を目指す「大都市シフト」を提唱。首都圏、中京圏、阪神圏の3大都市圏や政令指令都市など大都市圏を重点エリアと位置付け、グループ全体での成長戦略を展開しているという。

今回のピーコックストアの完全子会社化は、都市部でのスーパーマーケット事業展開の強化を目指す同社と、百貨店事業に経営資源を集中させたいJFRの意向が合致したもの。ピーコックストアは、3大都市圏を中心に82店舗を展開しており、これによりイオンは都市部におけるスーパーマーケット展開に弾みを付けたい考えだ。

今後については、輸入食材や付加価値の高い商品の品揃えといったピーコックストアのノウハウを同グループ店舗で活用するとともに、イオンのPB「トップバリュ」や電子マネー「WAON」、商品調達機能などのインフラを、ピーコックストアに活かしていきたいとしている。