Googleは4日、福島県双葉郡浪江町内のストリートビュー撮影を開始したことを発表した。撮影は数週間程度を予定しており、数カ月後にGoogleマップのストリートビューで公開を目指す。
福島県双葉郡浪江町(以下、浪江町)は、およそ半分が福島第一原子力発電所から20キロ圏内にあたる「警戒区域」、残り半分が「計画的避難区域」に指定されている。今回の撮影は浪江町からの依頼によるもので、国や自治体が定めるガイドラインに沿い、乗務員の安全に十分配慮して撮影するという。
Googleでは、浪江町の今の様子を記録することで、故郷を離れて暮らす多くの住民に街の様子を見てもらい、次世代に災害の記憶を継承するための貴重な資料や、東日本大震災の記憶の風化を防ぐ一助になることを期待していると述べている。
また、浪江町の町長、馬場有氏は次のコメントを寄せている(Googleのプレスリリースより)。
「浪江町は全町が避難区域に指定され、町民 2 万 1000 人が全国に避難しています。震災や原発事故からおよそ 2 年が経とうとする今、多くの町民からふるさと浪江の姿を見たい、知りたいという声が非常に強くなっています。また、世界にも原発事故の悲惨な状況が知りたいという方たちはたくさんおられます。
今回、Googleの協力で、ストリートビューで街の様子を撮影・公開することで、多くの町民の皆さんに街の様子をお知らせしたい、そして世界にありのままの浪江町を発信して行きたいと思っています。」