公開中の映画『ジャンゴ 繋がれざる者』に出演したレオナルド・ディカプリオが2日、都内で来日記者会見を行った。

来日記者会見を行ったレオナルド・ディカプリオ

先のアカデミー賞で脚本賞と助演男優賞を受賞したクエンティン・タランティーノ監督の映画『ジャンゴ 繋がれざる者』。公開されたばかりの本作でキャリア初の悪役を演じたレオナルド・ディカプリオが前日に来日。ディカプリオは、カメラマンが放つ無数のフラッシュの光を浴びながら登壇し、開口一番「サンキュー!」と感謝の言葉を述べ、「僕は日本が大好きだから、日本に戻ってこれてすごくうれしいよ」と長旅の疲れも見せずに笑顔であいさつ。これまで何度も来日して日本通で知られる彼は「とにかく日本に来ることを楽しみにしていたよ。両親から"寺マニア"と言われるぐらいお寺が好きなんだ。今回も色んなところを見て回るよ」と来日中のプランも明かした。

クエンティン・タランティーノが初めて西部劇に挑んだ本作は、リンカーンの奴隷解放宣言をした5年前の1858年のアメリカ南部が舞台。タランティーノ作品初登場のディカプリオは、初めての悪役に臨み、大農園の残忍な独裁君主カルビン・キャンディを演じた。「今回は南北戦争直前の非常に微妙なアメリカ人が触れたくない時代を描いていて、キャンディーは、南部の道徳の腐敗を象徴しているキャラクター。農園主の色んな側面を描いているよ」と説明し、「タランティーノは信じられないほどページから飛び出すキャラクターを書いてきて、ハリウッドでこの脚本が出回った時はみんながショックを受けていたね。僕はこの作品の一部になりたいと思ったし興奮したよ。アメリカが自分の過去に振り返り、鏡を覗くような大事なプロジェクトだと感じたんだ」とタランティーノ監督を絶賛した。

初めての悪役は楽しんだ様子で「ここまで大胆不敵な人物を演じて解放感を感じたね。悪役だから相手の気持ちを考えなくて済むし、自己陶酔して演技ができたよ。本当に楽しかった」と満足げ。参考にしたのは「『トゥルー・ロマンス』のゲイリー・オールドマンと『トウームストーン』のヴァル・キルマー」と明かしつつ、「色んな悪役を凝縮したのがキャンディーさ」とこれまでにない悪役であることをアピールした。

また、本国アメリカでのインタビューで俳優を休業すると語ったことについて「プレスにちょっとしたことを言うと、全然違う意味で捉えられてしまうことがよくある。あの時は過去2年間に3本やったのでちょっと休憩したいと言っただけ。全く辞めるつもりはないね」と全否定。「今はいいプロジェクトがあればと思っているし、環境問題や慈善事業をやっていて、象牙を得るために像を違法に殺さないよう政府に投げ掛けている。そういうことに関心を持ってくれたらうれしいね」と話していた。