説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhone 4は4S以降のBluetoothと違う、ってホント?」という質問に答えます。

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iPhone 4S以降のiOSデバイスは、「Bluetooth 4.0+HS」(以下、4.0+HS)に対応しています。それ以前のiOSデバイスが対応するのは「Bluetooth 2.1+EDR」(以下、2.1+EDR)ですから、4S以前と以降では利用できる機能や対応機器が異なります。

4.0+HSは、Bluetoothの正式な規格を指す言葉ではありません。従来規格の2.1+EDRに比べ大幅に省電力化された「Bluetooth 4.0」と、最大24MB/秒の高速通信を可能にする「Bluetooth 3.0+HS」の両方の規格をサポートする意味で用いられています。

そしてBluetooth 4.0には、低消費電力モードをサポートする新規格「Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE、BLE)」が採用されています。BLEは従来のBluetooth規格(2.1+EDR)と互換性がないため、iPhone 4S以前のiOSデバイスでは動作しません。一方、Bluetooth 3.0+HSは後方互換性を持つため、2.1+EDRの機器も動作します。

Bluetooth機器が自分のiOSデバイスで動作するかどうかの目印になるのが、BLEの低消費電力モードでのみ通信を行うデバイスに記載されている「Bluetooth SMART」のロゴです。このロゴがある製品を利用するには、iPhone 4S以降のiOSデバイスが必要になります。具体的には、iPhone 4SとiPhone 5、第3世代以降のiPad(mini含む)と第5世代以降のiPod touchです。

ただし、BLE対応機器の一部には、BLEと従来のBluetooth規格の両方に対応するデュアルモード型デバイスも存在します。その場合、製品ロゴは「Bluetooth SMART READY」となるため、BLEのみ対応する機器(シングルモード)と見分けがつきます。

写真で解説

省電力のBluetooth 4.0で通信を行う機器には、「Bluetooth SMART」のロゴがあります(写真は「G-SHOCK GB-5600AA-1AJF」

Bluetooth対応機器は、ロゴで見分けることができます。「Bluetooth SMART」ロゴの機器は、iPhone 4S以前のiOSデバイス(2.1+EDR)では動作しません