デルは28日、新たなPC製品カテゴリの「Dell Graphic Proシリーズ」およびWQXGA(2,560×1,600ドット)の30型ワイド液晶ディスプレイ「U3014」の記者発表会を東京都内で開催。これらの製品群に象徴されるプロシューマ向けのプロダクトにより注力していく方針が述べられた。
Dell Graphic Proシリーズ登場の背景は
「Dell Graphic Proシリーズ」は、26日にリリースされた映像や写真などの編集作業に向けた製品カテゴリ。同社の既存モデルからグラフィックス機能に優れたPCおよびワークステーションを選りすぐったラインナップとなっている。
同社コンシューマー&スモールビジネス事業本部 コンシューマー事業部 営業戦略・企画 担当部長の浜田裕之氏は、この新シリーズが企画された背景として、フルHD対応のビデオカメラやデジタル一眼レフカメラの普及が進み、これらのファイルを扱うためにハイエンドな環境を望むユーザーが増加、「カメラやビデオカメラを買うと、PCも買い替えることになる」という流れがあると述べた。また、Youtubeやニコニコ動画といった動画共有サイトへビデオを投稿することが一般化してきたこともひとつの理由であるという。
「Dell Graphic Proシリーズ」のラインナップ。プロ仕様モデルがPrecision M6700、Precision M4700、Precision T1650、スタンダードモデルがXPS 15、XPS One 27、XPS 8500、Inspiron 15R Special Edition、Inspiron 17R Special Edition |
「U3014」30型の大画面ゆえに視野角が重要
「U3014」は、WQXGA(2,560×1,600ドット)の30型ワイド液晶ディスプレイ。米国で先行発売されていたが、同日国内で正式発表、直販価格119,980円で発売開始となった。Adobe RGBで99%、sRGBで100%の色域に対応するほか、LEDバックライトを採用することで、前モデルに比べ45%の省電力化を達成している(通常消費電力60W)。
同社マーケティング統括本部 リレーション製品マーケティング本部 ブランドマネージャーの河田浩行氏は、「画面サイズが大きくなるほど、画面中央に座った作業者から画面端に向かっての色調の変化が問題。視野角がより大切になる」と述べ、IPSパネルと同社の「Premier Colorテクノロジー」によるU3014の画質のよさをアピールした。
また、液晶ディスプレイ市場における同社のシェアについても触れ、日本国内では2007年から2011年までシェア1位を続け、2012年においても第3四半期まで1位を継続。ハイエンド分野では世界1位の実績を誇ると報告した(詳細スライド画像参照)。
色域の広さと高い解像度が編集作業に有効
ゲストとして登壇した、アドビ システムズ マーケティング本部 デジタルメディア第2部マネージャーの岩本崇氏は、Adobe Creative Cloudを使いながらデモを実演。「U3014」について、「Adobe RGB 99%の能力は紙媒体の編集作業においてプリントアウトや色校正の出力をせずに色調を確認できる」とその有効性に触れた。また、付属ソフトの「Dell Display Manager」について、Easy Arrange(画面分割)機能がAcrobatとInDesignなど複数のアプリを同時に使う際に便利であると実感を語った。
国内未発表製品も展示
会場には、「Dell Graphic Proシリーズ」のほか、同社製ディスプレイ「デジタルハイエンドシリーズ」がそろい踏み。国内では未発表の24型製品「U2413」も近日中に発売される(デル 河田氏)という。