経済産業省と東京証券取引所は26日、女性が活躍しやすい環境を推進している東証1部上場企業17社を選び、「なでしこ銘柄」として発表した。
「なでしこ銘柄」では、業種ごとに、女性が働き続けるための環境整備を含め、女性人材の活用を積極的に進めている企業を紹介。「多様な人材を活かすマネジメント能力や環境評価への適応力があるという点で、成長力のある企業であるとも考えられる」(同省)という。
選定方法は、「女性のキャリア支援」と「仕事と家庭の両立支援」の2つの側面からスコアリングを実施。まず東証一部上場企業から約70社を選び、その中から財務面での業績もよい企業を選定した。
今回選ばれたのは、「マルハニチロホールディングス」「積水ハウス」「アサヒグループホールディングス」「東レ」「花王」「住友ゴム工業」「旭硝子」「大同特殊鋼」「住友金属鉱山」「ダイキン工業」「日産自動車」「ニコン」「東京急行電鉄」「KDDI」「豊田通商」「ファーストリテイリング」「三井住友フィナンシャルグループ」の17社。
このうち、「マルハニチロホールディングス」では、家庭と育児の両立を支援すると同時に、女性比率の拡大を積極的に推進。2011年度の女性従業員比率は18%、女性管理職比率は3%となっている。また、大同特殊鋼では2008年より、女性社員の活躍支援に向けて、スキルアップを目的とした講座を開始。2011年の女性役職者比率は15.6%に上るという。
発表に併せて、アイリスの協力の下、同銘柄のロゴマークを作成。デザインは、一つ一つの丸を人材に見立て、多様な人材の活動により右肩上がりに成長していくイメージで、吹き出しを使って新たなオピニオンが生まれる様子を表現している。なお、ロゴマークは、今年度よりスタートした「ダイバーシティ経営企業100選」の姉妹ブランドになっている。
「ダイバーシティ経営企業100選」とは、女性や外国人、高齢者、障がい者などを含む多様な人材を活用して、イノベーションの創出ならびに生産性の向上といった成果を上げている企業を選定、表彰する事業。選ばれた企業が行っている取り組みをベストプラクティスとして発信していく。同事業は来年度以降も継続され、累積で100社程度選定していく計画。今年度の表彰式は3月22日に予定されている。