日本マクドナルドホールディングスの代表取締役会長兼社長兼CEOである原田泳幸氏による、「昨年比約"6倍"の広告宣伝費を投入する」との発言がネットなどを駆け巡って騒動となった。本当なのか、何かの間違いなのかを日本マクドナルドに直接聞いてみた。
騒動の発端となったのはニュースサイトなどに、「1月半ばの会見で『昨年比約6倍の広告宣伝費を投入して周知を徹底、朝食時間帯の売り上げを10%以上伸ばす』と原田氏が発言した」という内容の記事が掲載されたこと。記事の内容を見ていくと、広告宣伝費"6倍"の部分がクローズアップされ、同社有価証券報告書の販売促進費60億円という記載をもとに「6倍であれば360億円にもなる」との試算も併せて記述されている。この記事が掲示板や個人のブログなどに引用されて広がり、あまりの金額の多さに疑問の声が上がった、というのが騒動のあらましだ。
では、実際のところはどうなのか。日本マクドナルドに聞いてみた。「6倍の広告宣伝費を投入というのは、朝食メニューだけの話です。今まで朝食メニューには、広告宣伝費をほとんど使っていませんでしたから」(マクドナルド広報)とのこと。騒動の元となった原田氏の発言を読み返しても、朝食時間帯の売り上げを伸ばすための広告宣伝費アップであることが分かる。つまり、広告宣伝費の中から朝食メニューへ割り当てる金額が従来の6倍になった、というのが真相だ。
同社では、1月から「朝マック」キャンペーンを実施。新作TVCMの放送を開始したほか、「朝マック」のバリュー強化、毎週月曜日に朝マックのメニューを週替わりで無料で試すことができる「フリーマンデー」キャンペーンを行うなど、朝食メニューに注力しているのは事実のようだ。