エミリー・サンデーとベン・ハワードが、ブリット・アワード2013でそれぞれ最多2部門での受賞を果たした。
スコットランド出身のエミリーは、2月20日にロンドンのO2アリーナで開催された授賞式で、最優秀女性ソロ・アーティストとデビューアルバム『エミリー・サンデー』を評価された最優秀アルバムの2つの栄冠に輝いた。テイラー・スウィフトから最優秀女性ソロ・アーティストを受け取ったエミリーは「ワオ、すごい、驚きよ! この賞を受賞できて本当にうれしいわ。たくさんの素晴らしいアーティストたちと競ってたのよ! 私の最高の家族、母と父、そして最高の夫に感謝を捧げます。そして私を信じてくれた全ての皆さんにも感謝します」と喜びのスピーチをしている。
さらにその後、最優秀アルバムを受け取った際にエミリーは「私って本当にラッキーなポップスターだと思うわ。このアルバムは自分の伝えたいことを言葉にできる力がなかったからこそ歌にしたアルバムなの。皆さんがこのアルバムの曲に共感してくれて、私って1人じゃないんだって思えるようになれたわ。本当に夢のようね。この賞と、この素晴らしい年に感謝しています!」とも語っている。
一方、ノミネート者の中でダークホースだったベンは、最優秀男性ソロ・アーティストと最優秀ブリティッシュ・ブレイクスルーの2冠に輝き、授賞式の晩、最大の驚きをもって迎えられている。英BBCラジオ1のリスナーの投票により最優秀ブリティッシュ・ブレイクスルーに輝いたベンは謙虚にも「僕、スピーチ苦手なんです。それにダンスも得意じゃないんですよ」と語っているが、受賞後の記者会見では「受賞にちょっと愕然としてるんだ。これは本当に思いがけない幸運だよ。今年度が終わって、予想以上にアルバムが成功しただけでなく、ブリットにもノミネートされたことだって素晴らしいことだよ。そして最後には2つの賞を持って帰ることができるなんて……妙だよね。それが今の状況を表現するのに一番適している言葉だよ」と話した。
また、ワン・ダイレクションはチャリティー用の新曲「どうせ恋だから(ティーンエイジ・キックス)」を初披露している。ただ、メンバーの中で一番の女たらしとして有名なハリー・スタイルズは、やはり今回のイベントでも他のスターたちからおちょくられるハメになっている。最優秀インターナショナル女性ソロ・アーティストのプレゼンターを務めたシャロン・オズボーンは「小さな魔法使いのハリーちゃんはどこ? 彼は魔法のステッキを持っているんでしょ? やあね、ハリーのおちんちんのことよ!」とハリーをからかった後、2年連続受賞となるラナ・デル・レイにトロフィーを渡した。
受賞後の記者会見でラナは「ロンドンでライブもしたし、作曲もレコーディングもしたの。だからここで受賞できてうれしいわ。私の人生の中で一番の達成だって言えるわね。自分が今まで聴いてたアーティストたちとも話ができたし、彼らはみんな私にサポートと助けの手を差し伸べてくれたわ」と語った。
また、ハリーは、テイラーが「アイ・ニュー・ユー・ワー・トラブル」を歌う姿を鑑賞せざるを得なかったという。同曲は、テイラーの元カレだったハリー自身のことを歌っていると世間で思われていることから、ハリーは気まずい様子だったようだ。
ワン・ダイレクションは、最優秀グループの部門では惜しくもマムフォード・アンド・サンズに敗れているものの、ブリット・グローバル・サクセス・アワードを唯一獲得している。最優秀グループ賞を受賞したマムフォード・アンド・サンズのボーカル、マーカス・マムフォードは「本当にありがとう。本当に受賞できるなんて思っても見なかったよ。僕らのギグに来てくれたファンのみんなに感謝する機会がこれまでなかったんだ。だって、ミューズとワン・ダイレクションが対抗馬としてこの部門にノミネートされてたんだよ。自分たちがイギリス人であることを誇りに思うし、これからも世界に飛び立ってブリティッシュ・ミュージックを広げていきたいね」とスピーチした。
ブリット・アワード2013 受賞者一覧
最優秀ブリティッシュ・ブレイクスルー:ベン・ハワード
最優秀女性ソロ・アーティスト:エミリー・サンデー
最優秀グループ:マムフォード・アンド・サンズ
最優秀ライブ・アクト:コールドプレイ
ブリット・グローバル・サクセス・アワード:ワン・ダイレクション
最優秀男性ソロ・アーティスト:ベン・ハワード
最優秀プロデューサー:ポール・エプワース
最優秀ブリティッシュ・シングル:アデル/「スカイフォール」
特別賞:ウォー・チャイルド
クリティックス・チョイス賞:トム・オデール
最優秀インターナショナル女性ソロ・アーティスト:ラナ・デル・レイ
最優秀インターナショナル・グループ:ザ・ブラック・キーズ
最優秀インターナショナル男性ソロ・アーティスト:フランク・オーシャン
最優秀アルバム:エミリー・サンデー/『エミリー・サンデー』
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