NHK連続テレビ小説『純と愛』が22日、NHK大阪放送局でクランクアップを迎え、ヒロインの純役の夏菜、純の夫・愛役の風間俊介が会見を行った。

『純と愛』の全撮影を終え、感無量の夏菜

昨年5月にスタートし、9ヶ月におよんだ撮影の最後の収録シーンにカットがかかると、夏菜は「さっきまで『(撮影が終わる)実感がわかない』『あれ?泣かないかも!?』とか言ってたんですけど…泣きました」と涙。「人生の中で自分がこんなに追い込まれたことはなかった。正直言って、純のことが嫌いな時期もありました」と撮影中は苦悩の連続だったことを告白した。だが、それほど全力で演じたヒロインだけに格別の愛着があるよう。「"夏菜"でいるより"純"でいる時間の方が長い9ヶ月でした。これから先、純を演じることはないんだって思うと、本当に寂しくて仕方ないです」と純との別れを惜しんだ。

また、風間も「楽しかったこと、辛かったこと、本当にいろいろなことがあって…」と万感の思いで撮影を振り返り、涙で言葉を詰まらせる場面も。「『純と愛』には賛否両論ありましたが、本当に生きることが辛かったり、どうしようもなくなった人たちが『それでも立ち上がる人たちを見て、生きる勇気がわいた』と言ってくれた。そんなドラマでした。最後まで演じられたことを誇りに思います」と作品への思いを熱く語り、「どうやっても忘れることができない9ヶ月」と感慨に浸った。

会見には、脚本を手がけた遊川和彦氏も駆けつけた。「いつもの(朝ドラの)ヒーローとヒロインより大変だったと思う」と夏菜と風間を労いの言葉をかけた遊川氏は、夏菜の明かした"苦悩"について「70%ぐらいは俺のせい」とコメント。「俺と俺の脚本が要求する芝居とで、苦しみの連続だったと思います。でも、それを経て君は確実にたくましくなっているし、強くなっているし、成長しているはず。これ以上、辛いことはもうない。俺みたいにひどいやつはいないから(笑)」と遊川流の厳しい"愛のムチ"にエネルギッシュな熱演で応えた夏菜を激励していた。