「女子」って何歳まで??

女子会、女子力、オトナ女子、働き女子……最近、ちまたには「女子」という言葉があふれかえっているように思います。男性がいる場で「私たち女子って」「今度の女子会は」と、「女子」という言葉を使った経験者のみなさんならうっすらと気づいているかもしれませんが、実はこの単語、男性からはかなり不評。女性の年齢が上がることと不評増幅度は比例していて、ネット上で30代の女性が使おうものなら、攻撃のターゲットにされてしまうことすらあります。なぜかというと、女子の「子」の字がクセモノであり、不評の原因なのです。

「女子」という言葉に敏感に反応する男性たち

「女の子、女の子供」という意味以外にも、「女性や女」という意味を持っているにも関わらず、なぜこの単語が男性から嫌われるのか。それは、「女子」と発する女性側から、「私たちってまだ若いよね! 」「オバサンとは呼ばせません!! 」という若さに対する強烈な執着が透けて見えて、その姿勢に男性がドン引きしているのです。ドン引きした感情を言葉で表現できず、反感となって現れる、という流れです。

男性のこの反感は、大人になっても自分のことを下の名前で呼ぶ女性の幼児性に嫌悪を持つ感情と似ているかもしれません。例えば私、内埜があなたに話しかける時、「さくらはぁ~」と言っていたら、どう思いますか。「何この女!? 」とイラッとしますよね。それです、それ! 男性が「女子」という単語を耳にした時の感情は、まさにそれなのです。

ただし男性側は、若くいようとする女性の姿勢を全否定しているわけではありません。自分のことを自分の名前で呼ぶことと共通している「女子」という単語を使う、その精神の未成熟さ、幼児性にへきえきしているのです。

女性は"女"の期間が極端に短い

ではどうして女性は、未成熟さ、幼児性をむき出すのか。それは、女性が「女」でいられる期間が極端に短い世の中だからです。

女性は大体27歳を過ぎたあたりからオバサン扱いをされるケースが少なくありません。対して、「女」と周囲から呼ばれても違和感を覚えない年齢を、大学を卒業した22歳と仮定して引き算をすると、「女期間」は正味5年ほど。生まれてから22歳までの22年間が「女の子」、以降27歳までの5年間が「女」、以降60歳までの33年間を「オバサン」、60歳以降を「おばあちゃん」と仮定すれば、一目瞭然です。女性は「女子」という曖昧な単語を用いて最も呼ばれたくないオバサンという名称を回避し、願わくば「女」から「おばあちゃん」にひとっ飛びしようとしていたのです。

オバサン時代が長いこの世の中を作ったのは男女両方ですから、女性が女子という単語を使う現状には、実は男性にも責任があります。と、男性を攻めても女子という単語が嫌われる現実は変わらないので、女性のみなさんは、「○○女子大学」など、正々堂々とこの単語を使える22歳までの女性に、「女子」を任せてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

内埜さくら(うちの さくら)
恋愛コラムニスト。1200人以上の人物取材の経験で磨かれた鋭い洞察力が武器。事務、販売、接客など数多くの職業を経験後、2004年にフリーライターとして活動開始。多種多様な依頼をこなすうちに人物取材を得意とするようになり、男性誌で約3年以上、恋愛やセックス特集を担当。ライター活動中に取得した心理カウンセラーになるために学ぶ必須項目の心理学と取材データを元に、処女作の「恋がガンガンうまくいく魔法のフレーズ80」(講談社)を上梓。心理カウンセラーとしても活動中。「恋愛コラムニスト内埜さくらのブログ」も更新中。