レノボ・ジャパンと日本マイクロソフトは共同で、東京都の港区立青山小学校の実施する、普通学級および特別支援学級においてWindows 8タブレットを導入し、今後4カ月間をかけてその学習効果を検証する「21世紀型スキル育成授業」を支援することを発表した。今後、両社ならびに青山小学校の共同プロジェクトとして、教育や学習におけるタブレットPCの利活用法や、学力向上につながる取り組みを研究。今夏をめどにその成果を広く公開予定としている。

港区立青山小学校の曽根節子校長(右)に「ThinkPad Tablet 2」を手渡すレノボ・ジャパン 執行役員専務 製品事業/パートナー事業担当 留目真伸氏(左)

日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセンター統括本部 文教本部長 中川哲氏。「Windows 8タブレットの授業への導入は、おそらく今回が世界で始めての試み。Windowsであればマルチタスクへの対応、各生徒の端末を管理できる管理ソリューションの実績も豊富」と述べる

青山小学校と日本マイクロソフトでは、かねてより「NEXTプロジェクト(2006年6月~2009年3月、独立行政法人メディア教育開発センターとの共同研究)」、「デジタル教科書教材協議会(DiTT)実証研究(2012年9月~2013年6月)」などを通じ、教育現場でのICT利活用に共同で取り組んでいる。なかでも、信州大学 東原義訓教授の指導のもと、昨年9月より取り組んだ個別支援システム「インタラクティブスタディ」を活用した実践研究では、1人1台PC環境のもと、教員OBや地域コミュニティと連携した指導を実施することで、対象児童の学習に対する意欲や算数の基礎力が著しく向上するなどの成果が既に得られたともしている。

今回の「21世紀型スキル育成授業」は、これまでの取り組みを強化するとともに、対象を特別支援学級にも広げ、児童のコミュニケーション力を補佐するツールとしてのICTの可能性を探るものと位置づけられている。レノボ・ジャパンは、同社が行っている、若者の未来を支援する「U.dream」プロジェクトの一環として、今回の授業の取り組みのため、最新のWindows 8 タブレット「ThinkPad Tablet 2」31台を提供する。一方、日本マイクロソフトは、同社が体感型コンセプトルームとして品川オフィスに設置している、21世紀の学習環境づくりを推進する「マイクロソフト 21世紀の教室」と連携するかたちで授業に協力する。

実際に導入される「ThinkPad Tablet 2」。図鑑や黒板アプリなど、学校向けのアプリが並んでいた。児童の利用を想定すると、ちょっと乱暴に扱うと故障の危険が……というものでは論外で、落下は当たり前のハードな環境に耐えられる堅牢性が必要となるが、ThinkPadならではの堅牢性の高さもここで活きてくる。また、タッチペン入力のフィーリングの良さが、"書く"ことも重要となる初等教育の分野ではメリットとなる

この21世紀型スキル育成授業の取り組みはまず、今月2月28日に、青山小学校での公開授業のかたちで具体的に紹介される。当日は特別支援学級の児童を対象とした「生活学習単元」の授業として、タッチ操作、ペン入力、カメラ、データ共有など「ThinkPad Tablet 2」の利点を活かした児童のコミュニケーション力を深めることを主題とした授業などを公開する予定だ。同公開授業の詳細はこちらのリンクから(pdfファイル)。続いて6月には、校外学習の一環として児童自ら学習の成果をPowerPointにまとめてプレゼンテーションを行い、日本マイクロソフト社員らが講評を担当する「プレゼン大会」も予定されている。

既に学習意欲や学力向上の効果が出ていることもあり、本件の取り組みに対する保護者の期待も大きいのだそうだ