どのくらいお金が必要!? 老後のためのリフォーム準備

省エネ住宅の義務化が検討されている現在、これからリフォームするとなると、どの位お金がかかるのか心配になってしまうことも多いのではないでしょうか。また年をとると、ちょっとした段差や通路の狭さ、水回り付近の狭さや使い勝手の悪さが介護に負担になったり、生活しづらくなってきたりするものです。

そこで一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「平成23年度 住宅リフォーム実例調査報告書」より住宅リフォームをおこなう年代、リフォーム理由で多いもの、金額などからどの程度リフォームに必要な金額を貯蓄しておけばよいかなどをチェックしてみたいと思います。

■省エネ改修は、すでに増加傾向

省エネ住宅の義務化はまだ先のことですが、すでにリフォーム工事を行う方も多く、2年前に比べると1事業者あたり1.6倍増加している傾向にあるようです。特に多いのが窓ガラスの省エネ改修で、高断熱浴槽や節水トイレの設置も目立っています。

■分譲住宅では60代からリフォーム

分譲タイプの住宅購入で、リフォームを行った人が多いのが60代です。つまりリフォーム資金を60代までに用意しておくか、退職金を利用するかでリフォームを行う人が多いということがわかります。

また、リフォームを行った方のおよそ6割以上が、建て替えを含む注文住宅のリフォームで、50代のうちからリフォームを実施する傾向が伺えます。傾向としては、50~60代で老朽化を中心にしたリフォームが行われていることが多く、70代以上では高齢化を中心にしたリフォームが行われているのだそうです。リフォーム金額では60代の場合、100~300万円が最も多く、次に多いのが500~1,000万円かかったケースです。

■マンションは築年数の浅いうちからリフォームすることも

全体的に目立つのが、築年数10~15年のマンションを40代のうちからリフォームする場合と、また60歳以上で築年数25~30年のマンションをリフォームしたケースです。40代のリフォームでもっとも多かった金額帯が300~500万円、60代のリフォームでは100~300万円の金額がもっとも多くなっているようです。

■リフォーム資金は借り入れなし、補助金を利用しないケースが最多

60代、70代からリフォームを行った方のおよそ9割近くが、借り入れを利用せずにリフォームされています。また補助金を利用しないで行ったケースが7割近くです。つまり、ほとんどが貯蓄や退職金などの手持ちの財産で、リフォームをされていることがわかります。

■どの位をめどに貯蓄するべき?

30代で子どもを持ち、子どもを大学に入れる場合には、単純に考えても50代から多額の出費がかかるようになります。子どもが1人の場合は、およそ4年の多額出費期間を乗り越えれば55歳~定年までの期間をリフォーム貯蓄機関に充てることができますが、子どもが2人以上いる場合は退職金でリフォーム資金を充てるということになりそうです。

統計から見ると100~300万円の出費だったという方が多いため、貯蓄を少し多めにためられそうなご家庭であれば、今からでも貯蓄を検討してみるのがよいかもしれません。