調査会社Gartnerの最新報告によれば、2012年の世界の携帯電話販売台数は17億5000万台で前年同期比1.7%のマイナスとなった。これは2009年来初の減少だという。同年第4四半期のセールスが低迷したことが原因で、急ペースで伸びてきた携帯電話市場に一服感が出ている。またフィーチャーフォンの台数は減少を続けており、2013年には全世界でスマートフォンと販売比率で逆転することが予想されている。

2012年における最大のトピックは販売台数ベースでNokiaとSamsungの順位が逆転したことで、Samsungが名実ともに世界最大の携帯電話メーカーとなった。両社の現在のシェアはそれぞれ22%と19.1%となっている。Appleは順調にシェアを伸ばして昨年の5%から7.5%になっており、第3位につけている。昨年4位だったLGはシェアを4.9%から3.3%へと落としており、今年3.9%のシェアを獲得したZTEに4位の座を譲る形となった。6位には2.7%のシェアでHuaweiが着いており、従来までトップ10の常連だったResearch In Motion (RIM、BlackBerry)、Motorola、HTCといったベンダーは軒並みシェアと順位を交代させている。7位にはTCL Communicationが入ってきている。

このように、ZTE、Huawei、TCLといった中国系ベンダーが大きく躍進したのが2012年の特徴で、台数ベースでは中国などを中心とした新興国需要が市場を牽引している構図が浮かび上がってくる。昨今、携帯メーカー各社はミッドレンジ以下のデバイスラインナップ強化を進めているが、それはこうしたトレンドを見越してのものだと思われる。またGartnerによれば、2012年第4四半期の躍進が目立っていたのがHuaweiで、2012年のスマートフォン販売台数は2720万台と前年比で73.8%も上昇しており、スマートフォン販売で3位のポジションに着いているという。1位と2位がそれぞれSamsungとAppleであることを考えれば、その勢いが想像つくだろう。

(記事提供: AndroWire編集部)