「1人の職人が1つ1つ手作り」「世界どこでも使えるコンシェルジュサービス」で知られる高級携帯のVertuに新製品「Vertu Ti」が登場した。最大の特徴は最新スマートフォンに近いハードウェアスペックを搭載し、OSに「Android」を採用したことで、「高級感はあるが技術的魅力は薄い」といわれていたVertuのイメージを一新することが期待される。
高級携帯メーカーとしての英VertuはもともとNokiaが設立に関わっていたことが知られているが、同社は昨年2012年10月にスウェーデンの投資会社EQT VIにVertu株式の大部分を売却して事実上事業から手を引いている。新生Vertuでは、従来のSymbian OSベースだったプラットフォームをAndroidへと移行していくことを表明しており、その第一弾の製品となるのがVertu Tiというわけだ。高級感のある筐体と充実した付随サービスとは裏腹に、ハードウェアのスペックやソフトウェアの機能は従来のフィーチャーフォンそのもので、こうした面がスマートフォンとしてのVertuの機能性の評価を下げていたといえる。その点で、最新のスマートフォン並みのスペックと機能を盛り込んだVertuは実用面でも大きくステップアップした。
筐体はGrade 5チタンをベースにセラミックと皮をあつらえたもので、3.7インチWVGAのタッチスクリーンにはサファイアクリスタルのコーティングが行われている。プロセッサはデュアルコア1.7GHz駆動のQualcomm Snapdragon S4、800万画素(背面、LEDフラッシュ付き) / 130万画素(正面)のカメラ機能、64GBの内蔵ストレージ、各種センサーを搭載し、Android 4.0 "Ice Cream Sandwich"が動作する。またベースがAndroidになったことで、日本語を含むユーザーインターフェイスでの複数言語対応が行われている。ネットワークは下り最大42MbpsのDC-HSPA+に対応するほか、IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0 + LE、SIMベースのセキュアエレメント(SE)が利用可能なNFC、Wi-Fiホットスポット(テザリング)に対応し、利用場面が広がっている。
筐体サイズは130.4×58.9×12.8mm、重量は181~201g。カラーバリエーションは黒を基調に4種類用意される。価格は一番ベーシックなTitanium Black Leatherモデルで7900ユーロ(約1万ドル)となっている。Vertuの特徴である24時間365日対応が可能なコンシェルジュサービス「Vertu Concierge classic」などのサービスも提供され、筐体組み立てを行った職人のネームプレートも付与される。Vertuの良さを活かしたまま最新のAndroidスマートフォンに進化したのがVertu Tiといえるだろう。
(記事提供: AndroWire編集部)