映画『横道世之介』の完成披露イベントが7日、東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの高良健吾、吉高由里子、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛と沖田修一監督が出席した。

映画『横道世之介』の完成披露イベントに出席した高良健吾(左)と吉高由里子

映画『横道世之介』は、第23回柴田錬三郎賞を受賞した吉田修一の同名小説(毎日新聞社 文春文庫刊)を、『南極料理人』などを手掛けた沖田監督が映画化した青春群像劇。1987年、18歳の横道世之介(高良)は、大学進学のために長崎から上京。世之介は、お嬢様育ちのガールフレンド・祥子(吉高)や大学でサンバサークルに誘ってきた友人・倉持(池松)、女性に興味が無い同級生・加藤(綾野)、年上でパーティーガールの千春(伊藤)らに囲まれた大学生活を過ごす。そして、世之介がいなくなった16年後、それぞれはふとした瞬間に彼を思い出す――というストーリーで、映画は23日から全国公開予定。

イベントでは、劇中にも登場するサンバサークルによるパフォーマンスが行われ、主演の高良は「自然と体が乗ってしまいました」と笑顔を見せ、吉高はド派手な演出に「こんな会見は初めて。気が動転してお辞儀をするのを忘れちゃいました」と慌ててお辞儀をして笑いを誘った。高良は公開を前に「この作品が自分から離れていくのが寂しくてしょうがない。幸せな時間でした」と撮影を振り返ると、吉高も「他の作品には申し訳ないけど、過保護のように可愛がった作品は初めて」と言い、「今日は監督やみんなに会って、本当にこの作品が好きだと思った。友だちや家族、好きな人と観て欲しい」とアピール。続けて「僕らが大好きだった世之介を、みなさんも好きになって」(池松)、「正直、これから世之介に出会えるみなさんが羨ましい」(綾野)とキャスト陣から次々に語られる同作への愛に、沖田監督は「みんな良い表情をしてるんです。ありがとう」と感激していた。

また、世之介のガールフレンド役を演じた吉高は、一部週刊誌でロックバンド・RADWIMPSのギター&ボーカル・野田洋次郎との熱愛を報道されたばかり。人々に愛される世之介の男性としての魅力について聞かれると「頼りなさそうだけど、目の前の事に対して素直な気持ちで応える人。その懸命な姿に魅かれたんだと思う」と笑顔で話し、劇中で世之介から猛烈なアプローチを受ける伊藤は「グイグイくるからびっくりするかもしれないけど、純粋に良いなと思うものを瞬間的に大事にしてるところが魅力的」とすっかり魅了された様子。そんな役柄を演じきった高良は「沖田作品も世之介も大好き。そんな作品で主演をやらせてもらった僕は、他の同年代の俳優より得をしてると思う」と満足げに語り、「普段の日常が特別なものに感じてもらえたら。自分も世之介みたいな存在であると思ってもらえれば」と自信を持ってアピールした。