今年1月のCES 2013で話題の製品の1つだった「Ubuntu for Phones」だが、開発元である英Canonical創業者のMark Shuttleworth氏によれば、今年10月にも同OSを搭載したスマートフォンの出荷が開始される見込みだという。米Wall Street Journalが報じている。
Ubuntu for Phonesは、Linuxディストリビューションの1つとして知られる「Ubuntu」にスマートフォン向けのユーザーインターフェイスを搭載したモバイルOS。基本的にはUbuntuそのものであり、Ubuntu向けのネイティブアプリや日本語を含む多言語環境をスマートフォン上でもそのままサポート可能な点に特徴がある。ハイエンドと低価格端末の2種類のセグメントをターゲットとしており、特に低価格端末についてはライバル製品と比べてパフォーマンス面で有利だとCanonicalでは説明している。
スマートフォン向けの製品バリエーションとしては2種類で、ユーザーインターフェイスをスキン的に利用できるものと、Ubuntuをベースにスマートフォン上でOSとして動作するものがあり、CES 2013では後者をSamsungのGalaxy Nexusにインストールした状態でデモストレーションが行われていた。WSJによれば、来月3月にもUbuntu for Phonesの開発者向け提供が行われるが、Galaxy Nexus用のROMが用意されており、これにインストールする形で開発を行う形になるようだ。
なお、CES 2013のタイミングでShuttleworth氏は「日本語サポートは問題ない」「(日本を含む)提供予定については未定で今後アナウンスする」とコメントしており、現在もまだ交渉中であるとしていたが、今回のWSJのインタビューで地域やキャリアは不明ながらUbuntu for Phonesの10月提供を明言したことになり、製品化に向けた目処が立ったと考えられる。
(記事提供: AndroWire編集部)