iPhone用の人気メールアプリSparrowがGoogleに買収されたのは、多くのiPhoneユーザーを落胆させたが、"ポストSparrow"の呼び声が高く、登場が待たれていたOrchestraのメールアプリ「Mailbox」の配信がAppleのApp Storeで始まった。対応メールサービスはGmail。対応機種はiOS 6.0以上のiPhoneとiPod touchだ。
Mailboxは「Inbox zero. Daily. (常に受信箱を空)」を利用コンセプトとし、スワイプ操作で受信箱内のメールリストからメールをすばやく処理できるのが特徴だ。
受信箱のメールリストで、メールをタップして右方向にスワイプし、緑色の状態で離すとアーカイブされる。右端までスワイプすると緑色が赤色に変わり、その状態で離すと削除される。左方向にスワイプすると、黄色になり、その状態で離すとスヌーズ (Snoozes)画面が現れる。「今日あとで」「今夜」「明日」「週末」「来週」「今月中」「いつか」「日にちを選ぶ」などのボタンが並び、いずれかをタップしてメールを再表示するスケジュールを選ぶと、メールが一時的に受信箱から消える。左端までスワイプすると黄色が茶色に変わってリスト(あとで読む、定期チェックなど)に追加できる。
右にスワイプして画面の途中(緑色状態)で離すとアーカイブ、さらに右端(赤色になってから)で離すと削除 |
スケジュールを決めて一時的にメールを受信箱から消すスヌーズ機能 |
画面の左端から設定、リスト、スヌーズされたメールなどにアクセス |
ダウンロードして開かなくても送り主や件名、本文の抜粋から内容を把握できるメールは多く、ひと目で不要と分かるメールはクラウドに置いたまま受信箱から消してしまう。「軽く、速く、モバイルで扱いやすいように受信箱を再デザインした」(Orchestra)。ただし、削除とアーカイブだけでは、あとでじっくりと内容を検討したいメール、時間がある時に返信するメールなどで受信箱がメールだらけになってしまう。スヌーズ機能やリスト機能も合わせて"常に受信箱を空にする"を体験すると「スッキリと安心できて、従来のメール処理には戻れなくなる」という。
スワイプ操作のほか、メールをタップ&ホールドして上下に動かすと表示位置を変えられる。受信箱に残ったすぐに処理しなければならないメールの中でも、特に重要なメールをリストの上の位置に置いておける。
MailboxのiPhoneアプリはApp Storeから誰でも入手できるが、現時点でOrchestraはMailboxを利用できるユーザーを制限している。過去に予約プログラム参加を申し込み、すでにリザベーション情報を持っていれば、すぐに利用できるが、それ以外の場合はアプリを起動して予約を申し込むことになる。アプリがロックされている間は、自分よりも早く予約申し込みを行った人数が表示されるので、あとどのくらいで使用できるようになるか把握できる。
Mailboxの価格は無料。収益モデルについては、EvernoteやDropboxのように無料で使える基本サービスに加えて有料機能を提供するフリーミアムモデルを考えているという。