台湾HTCは2月4日(現地時間)、2012年第4四半期(10~12月期)決算と今年第1四半期の業績予測を発表した。ライバルとの競合は依然として厳しく、次四半期の業績予測も市場予測を下回っているが、2013年全体ではやや改善の兆しが見えるという。施策の1つが低価格スマートフォン戦略の強化で、成長市場でのプレゼンスを高めていく。
同四半期の売上は600億台湾ドル(約1878億円)で、純利益は10億台湾ドル(約31億3000万円)のEPSは1.21台湾ドルとなる。前述のようにライバルとの非常に厳しい戦いが続いており、売上ベースでも前年同期比で4割近く下落している。だがHTCによれば、日本と台湾ではHTC Butterflyが大きな好評を得ていることと、米国/中国市場での目標達成、EMEA地域での状況の改善、南アジアでのシェア躍進など、地域別でのプレゼンス増加や業績改善が進んでいることをアピールする。一方で見通しは引き続き厳しく、第1四半期の売上は500~600億台湾ドルを予測しており、これはReutersが集計したアナリストの予測値の628億台湾ドルを下回っている。
だがZDNetが同社CEOのPeter Chou氏のコメントを引用して伝えるところによれば、2012年は落ち込みが激しかったものの、2013年はそれほど悪い状況にはならないと楽観的な予測を打ち出しているという。その理由の1つが、いわゆる新興国向けを中心とした低価格スマートフォンのラインナップで、ハイエンドとともにラインナップの充実で市場でのプレゼンスを高めていく戦略だ。HTCは先進国でのスマートフォン競争激化により急速にシェアを落としており、最近では中国を初めとした新興国でのシェア獲得に力を入れている。同市場では中国外のメーカーとしてはNokiaに代わりSamsungが急速に存在感を高めており、こうした市場での地固めが重要になりつつある。
(記事提供: AndroWire編集部)