JR西日本は4日、可部線電化延伸の事業実施について広島市と合意したと発表した。
可部線では2003年12月、可部駅以北の非電化区間(可部~三段峡間)が廃止されたが、可部駅から旧河戸駅付近にかけての区間は市街地化していたこともあり、廃止前後から住民主導で電化延伸に向けた各種活動が推進されていた。2008年にはJR西日本と関係バス事業者、広島市などで構成される「JR可部線活性化協議会」が設置され、2010年には広島市による「JR可部線活性化連携計画」が策定された。
今回の発表によれば、可部線電化延伸は「JR可部線活性化協議会」が事業主体となり、可部駅から河戸エリア(長井・荒下地区を含む)までの約1.6kmが電化延伸区間に。現在の終点・可部駅も改良され、新たに下りホームを増設して相対式ホームとなる。
電化延伸区間では新駅を2駅設置。事業概略図によれば、中間駅は可部バイパス(国道54号線)の西側、終点駅は荒下県営住宅跡地付近への設置が計画され、いずれも旧河戸駅とは異なる位置となる。中間駅は単式ホーム(1面1線)の無人駅、終点駅は頭端式ホーム(1面2線)の無人駅となる予定で、ともにホーム延長85m、電車4両編成に対応する。
電化延伸区間には計4カ所の踏切(可部駅北側の既設踏切も含む)も設置される。ただし、可部バイパス以西の1カ所については、近接する都市計画道路が整備され、鉄道と立体交差化が図られるまでの暫定踏切としての設置だという。可部線電化延伸の概算事業費は約27億円で、開業目標を2015年春としている。