街中で気軽にスキーができるというのは、やっぱり珍しいことかもしれない

先日、札幌に遊びに来た本州の友人が驚いた顔で「普通の公園でたくさんのスキーヤーが滑っていた」と報告してきた。そう、札幌では雪の季節、一部を除いた市内の公園をスキーゲレンデとして使用しているのである。札幌育ちの筆者には普通のことなのだが、よそから来た人の中には驚く人もいるようだ。

誰もが気軽にスキーで遊べる札幌の公園

容易にご想像がつくと思うが、雪国では冬になると屋外でできる娯楽が少なくなる。運動不足に陥るのももっぱら冬だ。スキーリゾートなどはいくつもあるけれど、そういう場所を利用するとなるとお金もかかるし、決して気楽に訪れることができる場所というわけではない。

そこで札幌市民は以前から、公園でのスキーを楽しんでいたのである。札幌市内には規模の大きな公園が計画的に整備されており、それらは夏場だけでなくウインタースポーツに親しむにも絶好の場所なのである。公園によっては傾斜などもしつらえられているので、気軽にスキーやそりで遊ぶにはいい。

スキーといっても、ゲレンデスキーのように豪快な滑走を楽しむことはできない。子どもと大人がいっしょになって雪で戯れる、というタイプの楽しみ方だ。そして、斜面を滑り降りるだけでなく歩くスキー、クロスカントリーが楽しめる公園もある。

雪が積もったモエレ沼公園ガラスのピラミッド (スキーは禁止)

スキーで楽しめる公園は市内に90カ所以上

札幌市内にどのくらいスキーを楽しむことができる公園があるのか。札幌市内の公園や緑地の情報を検索できる「公園検索システム」というサイトで検索してみると、なんと97もの公園でスキーが楽しめるそうだ。この数には、札幌市民の筆者も驚いた!

これらの公園ではスキーだけでなくそりや、場所によってはスノーシューなども楽しむことができる。しかもほぼ全ての場所で、無料で楽しむことができるのだ。筆者が子どもの頃は公園だけでなく、川の堤防などで学校のスキー学習が実施されていたりしたものだ。公園の数は現在より少なかったと思うが、札幌の街中でスキーが楽しめたのである。

巨大なモエレ沼公園は冬、雪遊びを楽しむ絶好のフィールドになる

スキーやスノーシューを無料レンタルする公園も

札幌の中心部、中島公園でクロスカントリーを楽しむ少年

スキーやスノーシューなどを、無料でレンタルできる公園がある点にも注目だ。東区にあるモエレ沼公園や、中央区の中島公園などでレンタル可能なのだが、中島公園などは札幌の中心部にあるだけに、旅行などで札幌に来た際気軽にクロスカントリーを楽しむには最高だろう。

クロスカントリーやスノーシューを楽しむのに大げさなウエアなど着用することは不必要で、暖かい冬着の上にレインウエアの上下、あとは手袋や帽子といった装備でも十分楽しめる。

あまり厚手のアウターを着用すると、運動によって体温が上がり、たちまち暑くなってしまう。薄手のものを重ね着し、体感温度によってコマめに脱いだり着たりするのが雪遊びウエアリングのポイントだ。

北欧の都市などでは、冬になるとスキーで通勤する人も珍しくないという。公園に限定されるが、190万都市の街中でスキーが楽しめるというのは、間違いなく札幌の魅力だろう。この冬札幌に来たら、ぜひ体験してみてはいかがだろう。