神奈川パシフィコ横浜で開催中の「CP+2013」。今回のキヤノンは、例年の試写ステージを中心としたブース構成をやめ、EOSやPowerShot、IXY、インクジェットプリンターのPIXSUSといった製品ごとにカウンターを設けたブース構成に切り替えた。これにより、製品担当者からの丁寧な製品説明と来場者からの意見の吸い上げなど、メーカーとカスタマー間の濃厚なコミュニケーションが可能になっている。
ご存じの通り、とにかく製品の層が厚いキヤノン。加えて、作品プリントのパネル展示や技術展示も充実しているため、広大なブースが狭く感じるほど。その中で、あえて注目ポイントを挙げるとするなら、何といっても発表されたばかりの「PowerShot N」の実機展示だろう。
デジタルカメラとして最低限必要なものだけを搭載したコンパクトさと、リングシャッターというユニークな操作性、チルト液晶を装備したユーザビリティ、1回の撮影で1枚のオリジナル写真に加えて、構図や色調・露出を自動で調整した5種類の写真を生成する「クリエイティブショット」という遊び心のある機能。
従来のある意味「生真面目で堅苦しい」というキヤノン製品の印象を大きく覆す製品は注目率も高く、展示コーナーは初日から大混雑。ただ、PowerShot Nは販売方法もキヤノンオンラインショップ限定ゆえ、CP+は実機に触れられる貴重な機会でもある。ぜひ展示コーナーを訪れてみていただきたい。
昨年末に発売された35mm判フルサイズセンサー搭載一眼レフ「EOS 6D」の体験コーナーも人気。初日でもおよそ30分待ちの状態が続いていたが、これは裏を返せば心ゆくまで触れるということ。体験で撮影した写真のプリントをプレゼントするサービスや、体験後にクイズに答えると、正解者にミニチュアカメラが当たる企画も用意されている。
そして、圧巻の技術展示も忘れられないポイント。SF世界のようなEFレンズ群のカットモデル展示も凄いが、ハワイ、マウナケア山頂の「すばる望遠鏡」に同社が提供している主光学系のレンズ展示には度肝を抜かれること間違いなし。これを見るだけでも、キヤノンブースに立ち寄った意義があるはずだ。