米Amazon.comは1月22日(現地時間)、PCやMac、Webアプリ等、ゲーム内での課金が可能な「In-App Purchasing」サービスの開始を発表した。これにより、ゲーム内課金にAmazon.comのインフラが利用できる。これまでAndroidやKindle Fireアプリ向けのIn-App Purchaseを提供していた同社だが、これをPCやWebアプリにまで拡大した形だ。
In-App Purchasingとは、アプリ購入時ではなくゲーム中に追加決済を可能にする仕組み。例えば、ゲーム中に追加シナリオやアイテムを購入したり、無料ゲームでアップグレード料金を支払うことでフル機能が利用できるようになったりと、特に携帯アプリや無料ゲームの世界でマネタイズを行ううえで重要な仕組みといえる。Amazon.comでは、Kindle Fire向けのアプリストアのほか、Androidユーザーが利用できる独自のアプリストアを提供しており、これらインフラの中ではすでにIn-App Purchasingが利用できる。今回の発表は、これに加えてWindowsとMacアプリのほか、WebベースのアプリにおいてもIn-App Purchasingが利用できるようになったことを意味している。
アプリ内課金は重要な要素の一方で、これをアプリ開発者が個々に実装するのは容易ではない。利用者が開発者に対してクレジットカード等の課金情報を渡す部分でハードルがあるからだ。ところがAmazon.comの提供するIn-App Purchasingであれば、すでに同社のアカウントを持っているユーザーならそのまま利用できるため、利用のハードルが下がる。ユーザー視点から見ても、クレジットカードや各種ギフトカードなどを組み合わせて支払えるほか、個人情報をサードパーティの開発者に公開されない安全性がある。一方でIn-App Purchasingの利用にあたっては、売上の3割がAmazon.comによって徴収され、開発者の手元に残るのは7割となっている。課金額によっては中抜きされる金額が増えるため、そのあたりは開発者にとってメリットとデメリットのバランスが難しいところだ。詳細についてはAmazon.comの開発者サイトのIn-App Purchasingのページを参照してほしい。
(記事提供: AndroWire編集部)