財務省は24日、2012年分の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6兆9,273億円の赤字となったことがわかった。赤字は2年連続。赤字額は、第2次石油危機後の1980年の2兆6,129億円を上回り、比較可能な1979年以降で過去最大となる。
輸出額は、前年比2.7%減の63兆7,446億円で、2年連続の減少。品目別では、船舶が同16.1%減、半導体等電子部品が同6.3%減、鉱物性燃料が同17.5%減などとなった。
輸入額は、前年比3.8%増の70兆6,720億円で、3年連続の増加。品目別では、液化天然ガスが同25.4%増、原粗油が同7.3%増などとなった。
地域別に見た場合、対米国は、輸出額が前年比11.7%増の11兆1,848億円、輸入額が同2.5%増の6兆819億円で、5兆1,029億円の黒字。輸出品目では、自動車が同23.8%増、自動車の部分品が同18.8%増などとなったのに対し、輸入品目では、航空機類が同105.9%増、液化石油ガスが同945.3%増などとなった。
対EUは、輸出額が前年比14.7%減の6兆5,002億円、輸入額が同3.6%増の6兆6,399億円で、1,397億円の赤字。対EUの赤字は初となる。輸出品目では、自動車が同25.7%減、半導体等電子部品が同34.8%減などとなった一方、輸入品目では、自動車が同20.8%増、医薬品が同6.7%増、航空機類が同90.5%増などとなった。
対アジアは、輸出額が前年比5.0%減の34兆8,629億円、輸入額が同3.0%増の31兆2,915億円で、3兆5,714億円の赤字。輸出品目では、鉄鋼が同9.1%減、鉱物性燃料が同15.1%減、プラスティックが同6.6%減少した。輸入品目では、通信機が同38.8%増、石油製品が同23.3%増、原粗油が同40.0%増などとなったのに対し、音響映像機器(含部品)が同25.4%減少した。
対中国は、輸出額が前年比10.8%減の11兆5,114億円、輸入額が同2.7%増の15兆327億円で、3兆5,213億円の赤字。赤字額は過去最大となる。輸出品目では、原動機が同34.3%減、鉄鋼が同19.0%減、自動車が同14.0%減などとなった。輸入品目では、通信機が同44.8%増、電算機類(含周辺機器)が同4.1%増、自動車の部分品が同22.3%増加した一方、音響映像機器(含部品)が同25.1%減、非鉄金属が同26.7%減、鉄鋼が同21.7%減少した。
同省はあわせて、2012年12月分の貿易統計(速報、通関ベース)を発表。2012年12月分の貿易収支は、中国やEUに対する輸出減が影響して6,415億円の赤字となった。赤字は6カ月連続。輸出額は前年比5.8%減の5兆3,003億円、輸入額は同1.9%増の5兆9,418億円。このうち対中国は、輸出額が9,061億円と前年同月より15.8%減少した。