東京急行電鉄、東日本旅客鉄道、東京地下鉄、道玄坂一丁目駅前地区市街地再開発準備組合、東急不動産は23日、渋谷駅周辺地区の再開発について、各事業者より東京都知事へ都市計画提案を行ったと発表した。
渋谷駅周辺地区では現在、渋谷駅街区土地区画整理事業および鉄道改良事業と連携して抜本的な再開発を進めており、昨年4月には渋谷ヒカリエ(高さ約182.5m)が開業している。
駅南側では渋谷川を再生させる取組みも
渋谷駅周辺地区では「渋谷駅地区 駅街区開発計画」(国道246号線北側)、「渋谷駅南街区プロジェクト(渋谷駅三丁目21地区)」(国道246号線南側)、「渋谷駅地区 道玄坂再開発計画」(東急プラザ渋谷付近)の3つの事業が進む(東急電鉄提供) |
今回、都市計画提案を行ったのは、「渋谷駅地区 駅街区開発計画」「渋谷駅地区 道玄坂再開発計画」「渋谷駅南街区プロジェクト(渋谷駅三丁目21地区)」の3つの事業。いずれも渋谷駅の駅街区を中心に近接しており、交通結節機能の強化、国際競争力を高める都市機能の導入、防災機能の強化と環境改善など、一体的に連携して取り組む。
渋谷ヒカリエに次いでのオープンを予定しているのが「渋谷駅南街区プロジェクト(渋谷三丁目21地区)」で、事業主体は東急電鉄など。東京メトロ副都心線との相互直通運転開始にともない、地下化される東横線渋谷駅のホームおよび線路跡地に関する事業で、高さ180mの高層複合施設(地上33階、地下5階)の建設が計画されている。開業予定は2017年度。高層部は事務所、中低層部はホテルや商業施設などに使用し、最先端の文化を生み出すクリエイティブ・コンテンツ産業の集積・成長を促す機能も導入するという。
同プロジェクトは国道246号線や首都高速3号渋谷線、明治通りなどの影響で、渋谷駅のにぎわいから分断されている渋谷三丁目地域の玄関口としての役割も果たすことに。渋谷の貴重な自然資源である渋谷川の再生にも取り組み、川沿いに緑の遊歩道や広場を整備するなど、水辺のにぎわいの創出をめざす。
一方、渋谷駅周辺地区の再開発における中核となるのが「渋谷駅地区 駅街区開発計画」で、事業主体は東急電鉄とJR東日本、東京メトロ。山手線・地下鉄銀座線・東急東横線渋谷駅の真上に位置し、駅前広場や歩行者デッキを一体的に整備する。高層複合施設の建設も計画されており、最も高い東棟は、渋谷ヒカリエもしのぐ高さ約230m(地上46階、地下7階)となる予定。高層部にはアジアのヘッドクォーター機能を担うハイグレードオフィスを、中低層部には大規模商業施設を備えるという。
その他、中央棟(地上10階、地下2階)、西棟(地上13階、地下5階)の建設も計画されており、東棟は2020年に、中央棟・西棟は2027年に開業予定。国際競争力強化を図るための施設を整備することで、世界中からつねに注目を集めるエンターテインメント性あふれる街の核となることをめざす。
駅西側ではバスターミナルも整備
「渋谷駅地区 道玄坂再開発計画」は道玄坂一丁目駅前地区市街地再開発準備組合が事業主体。同準備組合には東急不動産が地権者および事業協力者として参画している。
渋谷駅西口側にある東急プラザ渋谷および隣接する街区の再開発が検討され、「渋谷駅地区 駅街区開発計画」と一体的な交通広場の再編が行われることに。民地の一部にバスターミナルを導入し、高さ約120mの計画建物(地上17階、地下5階)の1階に、空港リムジンバス発着場を含むバスターミナルが整備されるという。開業は2018年度を予定している。